第9話

まさかのカミングアウト
丸川 菜々
丸川 菜々
…ただいま~
私は溜め息をこらえて家に帰る。
今日は誰もいない…はずなのに、前に両親が立っていた。
お母さん
…帰ってくるの、早いわね。
お父さん
大事な話がある。リビングに来てくれ。
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場面転換
丸川 菜々
丸川 菜々
………何?…改まって……
重い空気の中、私は躊躇いながらも言った。
声がリビングにこだまする。
お母さん
早く言うべきだったんだけど…
お母さん
あなたは、この世界の人間じゃないの。
ん?
え、何それ…理解できない。
私がこの世界の人間じゃない?どういうこと?
私がぽかんとしていると、お父さんが口を開く。
お父さん
お前は、魔法界で生まれた、魔法民マジカルーなんだ。
しばしの沈黙。
丸川 菜々
丸川 菜々
…ちゃんと説明して
少し、はっきりと声を出して、真剣な目付きで2人を見つめた。
お父さん
僕の本当の名前は、ルッツ・マシュリーラ。
お母さんは、カーラ・マシュリーラ。
実は、僕らは魔法界の人間なんだ。
お母さんも同じ。お母さんとお父さんは魔法界で育ち、
幸せな日々を送っていた。
続けるようにお母さんが口を開く。
お母さん
ある日、私達は人間界への裂け目を見つけたの。
面白半分でそこへ入った私達は、人間界に感動して、
そこに住むことにしたわ。
ある日、人間界で不思議な薬を見つけて、魔法界に届けに行ったの。
その薬は、人間界と魔法界が共存していた頃、二つの世界を
行き来する為に使われていた薬だったのよ。
お父さん
今の魔法界は、裏切った人間界を恨んでいた事を、僕らは
知らなかったんだ。そこの研究員達は、その薬を元に
人間界への裂け目を作り続けた。
そして、人間への"復讐"を始めようとしたんだ。
お母さん
それが始まる前に、私の魔法界の娘が、その薬を奪って逃げたの。
でも、娘は捕まってしまい、薬も奪われてしまったのよ。
丸川 菜々
丸川 菜々
何だか壮大なことになってきた。
私は魔法界の子で、その運命が私の妹に…?うん?妹?
お母さん
妹の名前は、ナーナ・マシュリーラよ。
丸川 菜々
丸川 菜々
ん?待って、その名前
私が手の平を見せると、お母さんが乗り出してきた。
お母さん
このマーク…妹の杖を拾ったのはあなたなのね!?
丸川 菜々
丸川 菜々
妹って…
すると、手から杖がぬるぬるとはいでてきた。
魔法の杖
まさか、あなた様がナーナ様のお姉様だったとは!
どうりで魔力が強いと思いました。
丸川 菜々
丸川 菜々
え…
つまり、私が拾った杖は妹が落とした魔法の杖のことだったらしい。
お母さん
言い忘れていたけど、あなたの本当の名前は、
レナーテ・マシュリーラよ。
お父さん
…今から本当の姿に戻す。…杖、頼む。
杖がふよふよと私の上に移動し、粉をまき散らす。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
…これが、私?
私の茶髪気味の髪の毛はなく、きらきらと虹色の髪が私の頭で揺れる。