ん…お母さんの声だ
私はベッドから降りた瞬間、足を踏み外してどてっと転んだ。
私は制服に着替えると、猛スピードでリビングに走った。
止まらなくて、ガン!とリビングのドアにぶつかった。
見ての通り、私は世界一のドジ。
皆が引いちゃうレベルのドジっ子デス。
お母さんに冷たくドアを閉められ、誰にも助けてもらえず地べたにつっぷした。
私の視線の先には、キラキラと光る綺麗な杖。
私は杖をひょいっと拾い上げた
その瞬間、杖がピカピカと光りだした。
私はビックリして杖を手から離したけど、杖は空中に
ふよふよと浮いていた。
杖は私の言ってることに耳を貸さず、ペラペラと喋り続けている。
杖は私の手の中にめり込んで行った。
手をブンブン振って振り払おうとしたけど、全く無意味。
完全に手の中に入ってしまった。
手の真ん中には、ダビデの星のマーク✡がついていた。
私は学校に走り始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!