第15話

ドジな私が魔法使いになるとこうなります。
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2019/01/20 01:39
丸川 菜々
実はね……
私は杖を取りだし、頭にぽん、と打ち付けた。
レナーテ・マシュリーラ
……私、魔法使いなの…
市野 結花
……え!?な、何それ、どういうマジック?
あくまでマジックだと思っているようで、悲しくなった。
レナーテ・マシュリーラ
実は……
私は全てを、話した。私が魔法界の人間だということも、記憶がなくなるということも、魔法界に行くことも、すべて。二人の顔が、段々絶望に変わっていく。私だって、離れたくないのに。
村江 隼翔
どういう、ことだよ……!そんなの、親の約束だろ!?言うこと聞くことないじゃないか!
最初に口を開いたのは、隼翔くんだった。
レナーテ・マシュリーラ
そういうわけには、いかないの……。私はここに生まれた時点で、こうなることが決まっていたから…
私は、姿を人間界の姿、『菜々』の姿に、変えた。
丸川 菜々
だから、二人に、記憶を消す前に伝えておく。
私はさめざめと泣く結花のかたを持ち、精一杯の笑顔をした。
丸川 菜々
まず、結花。今までありがとう。小さい頃から結花とは仲良くて、大人になるまで一緒にいるんじゃないか、って本気で思ってたよ。結花は、私のなかで最高の親友。私がいなくなっても、悲しまないでね。死ぬ訳じゃないから
市野 結花
……うん…なにゃ…ぐすっ、あひが……とお……ぐすっ
そして私は、隼翔君の前にたった。
丸川 菜々
隼翔くん。今までありがとう。会ったときから、ずっと好きでした。本当はこんな悲しい状況で言いたくなかったんだけど、これが最後だから。私のこと、忘れないでね。私の初恋、持ってっちゃったんだから。
この期に及んで恥なんてなかった。だから、言いたいことを全部言った。
村江 隼翔
……菜々、俺も、…好きだった。本当は俺から告白したかったけど、取られるとは思ってなかったよ。………………ありがとうな。
カーラ・マシュリーラ
《_レナーテ…、いつまで人間界にいるの、帰ってきなさい》
頭の中に、お母様の声が聞こえた。
丸川 菜々
じゃあ、
レナーテ・マシュリーラ
さようなら。
私は頭にぽん、と杖を優しく当てた。すべて、すべての、記憶が消えていく。話したこと、結花のこと、隼翔くんのこと……すべて、頭から消えていく。

__嗚呼、あの人は誰なの?なぜ私を見ているのかしら……いや、そんなことより魔法界に帰らなくては。
レナーテ・マシュリーラ
さようなら、人間界
レナーテとあたしはフィンの騒動のあと、魔法界の王女になった。……いや、嬉いっちゃ嬉しいんだけど、レナーテの様子がなんだかおかしい。まだ人間界のことを覚えているのではないか、とはらはらしてしまう。
レナーテ・マシュリーラ
ねぇ……ナーナ。
ナーナ・マシュリーラ
な、何?
レナーテ・マシュリーラ
…私、なんだか寂しいのよ……私のことを、知っている人がこの世界以外にもいるような気がするの
完全に記憶が消えても気持ちだけは人間の時の記憶が残っているらしく、レナーテはたまにこんなことを言う。
……レナーテは人間界ではドジな子だったから、記憶の処理も曖昧だったのかも知れないな。
ナーナ・マシュリーラ
レナーテは、ドジだねぇ……
思わず口に出していた。
レナーテ・マシュリーラ
ど……じ……?私、が……?……うわっ!?
すると、レナーテはテーブルに置いてある杖を持とうとして、足を滑らせた。その反動で杖が揺れ、勝手に魔法を出した。ぴゅんっと音がして、壁を、焦がした。





































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レナーテ・マシュリーラ
……ドジな私が魔法使いになると、こうなっちゃうのよね。
そう言って、レナーテは笑った。その顔は、レナーテ、というより、『菜々』に近かった。
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満を持して最終回を出しました!遅くなりすみません( ;∀;)

この小説の感想があれば、コメント欄に書いてくれると嬉しいです!
作者
ちょっと言い訳なんですけど……。

絶対この話に文化祭の話要らなかったと思う。本当すみませんでした。
作者
あと!大事なお知らせです!
この作品の第2部を出すことが決まりました!

その小説を出したら、この小説と「ロコンとゆる雑談!」でお知らせするので、よろしくお願いします!
作者
ちなみに2部はこんな感じです!
ちなみに、この小説と第2部に

#ドジな私が魔法使いシリーズ

というハッシュタグをつけました!本当は「ドジな私が魔法使いになるとこうなります。シリーズ」にしたかったんですけど、文字数が足りませんでしたぁあ!
作者
最後までこの小説を読んでくださりありがとうございます!第2部でまたお会いしましょう!

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