第11話

ドジな私が魔法界に行くとこうなります。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
ここが…?魔法界…?
私は日本とはまるで違う世界に感嘆する。

―人や車が飛び回る紫色の空。
―不思議な形をした建物の数々。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
わぁ…
私は感動してしまい、反射的に笑った。
しかし、その口角はすぐに下がった。
明らかに、周りとは違うオーラを放つ黒い城があった。
私は、両親から言われた言葉を思い出す。
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お母さん
(今から魔法界に貴女を移動させる。魔法界には、明らかに浮いている黒い城があるわ。そこにナーナと、ボスのフィン・サッドがいるの)
お父さん
(城に入るには、裏口から入る必要がある。裏口にいる兵隊に麻酔の魔法をかければ鍵を使ってすぐには入れるさ)
お母さん
(まず、ナーナを探しなさい。ナーナがいるところにフィンがいるはずよ。)
お父さん
(ナーナを解放したら杖を渡して、一緒に薬を探すんだ。ふよふよと姿形を変えるボトルに入っているから、見たらすぐにわかる。)
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レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
ナーナ…
まだ知らぬ私の妹を助けに、私は裏口へ飛んでいった。
兵隊1
な、なんだお前は!
兵隊2
急に現れて無礼な!パリアーロ!
兵隊が魔法を繰り出してきた。私は見当違いな方向を飛んでいく魔法の矢を見つめながら、麻酔の魔法をかける。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
ソタファール・ウヤラ
―バタッ
私の魔法をくらい、その場に崩れ落ちた人間を私は驚きに満ちた顔で見つめる。
これが、人を傷つける感覚なのだろうか。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
やっぱり、私って魔力がすごいのかな…
簡単に人も殺めることのできる杖がめり込んだ手のひらを見た。
怖い。こんなことも簡単にできてしまう自分が。
私はポケットから鍵を引ったくると、木のドアを開ける。
がたのきたドアがきぃ、と音を出して開いた。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
すぅーーっ…はぁー。
静かに深呼吸をして私は前を向く。
すると、私の存在に気づいた手下が勢いよく襲ってきた。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
アピア!
私は手下に向かって手を伸ばす。
手から延びた紫色の光が床をなぞり、手下の足元にぬるりとはいる。足首にその光が穴を開けるように入り、中からぱりっ、という音がした。その瞬間、周りが紫色の光に包み込まれ、手下が発狂した。
「―――。」
しかしその声は私の魔法から出る音で全く聞こえない。手下は床に叩きつけられ、一瞬だけ時が止まったように動かなくなった。しかし、急にゾンビのようにゆっくりと起き上がり、私の前にひざまづく。

彼らの目は、どす黒い目をしていた。
手下たち
何なりとお申し付けを
そう、これは洗脳の魔法だ。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
ナーナが、いる場所を教えて。
この魔法はとても協力で、「アピアン」と言われる洗脳解除薬がないともとには戻らない。その薬は高く、どんなに金持ちでも見ることさえできないという。
手下たち
手下が一斉に階段を指差す。
手下たち
あそこを上って、少しした実験室のなかにいます。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
ありがとう
魔法を使った瞬間から気づいていた。
私は、だんだん私ではなくなってきている。
菜々のように、戻れない。
レナーテ・マシュリーラ
レナーテ・マシュリーラ
待ってなさい、フィン
―気づいていたのに…