後ろでパチンッという音がしたと思えば男は殴られたようなダメージを受けていた、怯んでいる内に何とか逃げ出せた私は誰かに抱えられ男から離される
後ろを振り返ると
そこには大好きなゆーにぃが居た
言われるままに兄と男から距離を開けていく
男は再びポッケへと手を突っ込んでこちらを向いた
何を話しているのかは聞き取れないが兄は不満気な顔をしている
パチンッパチンッ
兄が指を2回鳴らすといつの間にか木が倒れていた、男はその攻撃を避けたようだが腕をかすっている
ヴィランが地面に手を着いた瞬間に大きな氷の壁がゆーにぃの前に立ちはだかった
ゆーにぃが手をパンッと叩いた
そして不思議と氷の壁は爆発して砕けてしまっている
そのままゆーにぃは突っ込んでいってヴィランを殴った
止めを刺そうとした時に何故だかゆーにぃはこちらを向いて必死に叫んでいた
私はいつの間にか男に捕まっていてまた黒い霧の様なものに向かって手を引かれている
ゆーにぃはすぐに私の元へ帰ってきている、しかしまだ意識があるヴィランは後ろからゆーにぃ目掛けて攻撃を仕掛けてきた
それは不幸にもゆーにぃに当たり、足から徐々に凍っていっている
上から地に打ち付けてき爆風は次々と木を倒していくがあなたと雄宇だけは平然と地に足をつけていた
ヴィランとアイツは黒い霧の中へ入っていく
風が収まった頃にあなたは兄の元へゆっくりと足を進めた
やがて氷化はどんどん広がっていき完全に氷のように動かなくなってしまった冷たい兄はどこか幸せそうな表情だった
その後はあまりにも酷かった
またヴィランの奴が来たと思えば仲間が増えており黒くモヤモヤした大きなヴィランがゆーにぃを黒い穴の中へと飲み込んでしまう、
私は相手の個性で動けなくなってしまいそれをただ叫び見ることしか出来なかった
それからの数日間はデクやかっちゃんにも会わず光のない暗い部屋の片隅で声を殺し泣いていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。