飛貴くんは、私の事を離して、そう言った。
飛貴くんは、私の手を握って来た。
飛貴くんは、私の事を引っ張った。
そしてタピオカ店にとーちゃーく!
私は、飛貴くんと一緒に、タピオカ店の行列に並んだ。
並んでたら、廉くんが通りかかった。
飛貴くんは、私に廉くんが見えないように、私の前に立ってくれた。
飛貴くんは、私から離れて行った。
待ってる間、飛貴くんとは、
楽しいお話をしてました!
私は、バッグから財布を取り出そうとした。
そしたら飛貴くんに、手首を掴まれた。
と言ってニコッとしてくる飛貴くん。
惚れてまうやろ……
財布の中をいじる彼。
その横顔から、
目が離せない……
どうやらお会計は終わったようだ。
けど私はそこに突っ立ったままだ。
彼の手は、私の頬に触れている。
私たちは、壁側の方の席に座る事にした。
それからは、
地獄のような沈黙時間が続いた。
私は飛貴くんに引っ張られて、
飛貴くんの執事さんが待っている場所まで連れて行かれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!