第11話

11話
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2020/04/27 07:33
あなたside
(なまえ)
あなた
あ、れ、廉くん?
廉
おん。そうやけど。お前ん家、ここら辺なんか?
(なまえ)
あなた
ううん。もっと遠い所。
廉
帰り道、分かるんか?
(なまえ)
あなた
ううん。分からない。でも、それでいいの。
廉
(なまえ)
あなた
あのお家に戻りたくない。何かに縛られているような暮らしなんて、したくないでしょ?
廉
まぁ、そやなー
(なまえ)
あなた
って言うか夕日、めちゃくちゃ綺麗だね。
廉
せやろ?
(なまえ)
あなた
うん。
廉
俺、もっといい場所知ってんねんけど、一緒に行かへん?
(なまえ)
あなた
もっといい場所?
廉
おん。今は、夕方やけど、夜になると、辺り一面に星が輝いてるんよ。
(なまえ)
あなた
へぇ〜……
廉
……なんかあったん?
(なまえ)
あなた
……え?私?
廉
( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
(なまえ)
あなた
……なんもないよ。
廉
嘘やろ?絶対なんかあったやろ?
(なまえ)
あなた
……ない。
廉
話してみぃ?
(なまえ)
あなた
……私、お父さんと喧嘩しちゃって。
廉
喧嘩?
(なまえ)
あなた
うん。
廉
何が原因で?
(なまえ)
あなた
……実はね、私には、婚約者がいるらしいの。でね、その婚約者に、明日会うことになって……
なんだか、廉くんに話聞いてもらえると、内心どこかが、ホッとしてる……
廉
ええやん?婚約者やろ?ええ出会いかもしれへんよ?
(なまえ)
あなた
……私はね、決まっている婚約者じゃなくて、自分で見つけたいの。なのに、お父さん分かってくれなくて……
廉
……そっか。
(なまえ)
あなた
でね、あまりにもひどくて……私……つい……お父さんに……「死んじゃえばいいのに!」って……言っちゃったの……
私の声は、震えていた。
(なまえ)
あなた
もうほんとに、何がなんだか分からなくて……
私の目からは涙がこぼれてきた……
(なまえ)
あなた
……グスン
廉
……泣くなや?
(なまえ)
あなた
……ヒック……グスン……
(なまえ)
あなた
おとう……さんに……謝らなくちゃ……
廉
ギュッ
廉くんは、私の事を、優しく、抱き締めてくれた……
(なまえ)
あなた
……廉……くん?
廉
辛かったやろ?
(なまえ)
あなた
……グスン……ヒック(⸝⸝o̴̶̷᷄  o̴̶̷̥᷅⸝⸝)
廉
もう無理せんでええよ?
(なまえ)
あなた
……グスン……(⸝⸝o̴̶̷᷄  o̴̶̷̥᷅⸝⸝)……
廉
さ、そろそろ暗くなって来たで。星、見に行こーや?
(なまえ)
あなた
……うん。

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