廉side
次おうた時に、
何も無いっていうのはいやや。
やから俺は、
姉ちゃんと一緒に、
あなたの好きそうな物を買いに行ったんや。
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あなたside
あ、お店の中に入っていった……
あの彼女さんに、
何買ってあげるんだろう……?
はぁ。やっぱりね。
やっぱりそうなんだ。
恋愛禁止なんだからしょうがない。
どうやら飛貴くんには分かるらしい。
私の顔色が、さっきと違う色してるのが。
そう言って飛貴くんは、
紙袋を私に渡して来た。
紙袋の中を見ると、
私が欲しかった服が入ってた。
ホントなら、もっともっと喜べるはずなのに。何故か今は、喜ぶことが出来ない。
すると飛貴くんは、
私の事を抱き締めてきた。
私は、飛貴くんの事を抱き締め返した。
何故か、私の手が、自然と動いたんだ。
そう言って飛貴くんは、私の背中を軽く叩いてくれた。
飛貴くん、温かいなぁ……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。