第5話

….Three….
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2022/09/09 06:00

‎𓊆 ……ラビットフォール寮…… 𓊇




「今日の昼ごはん当番誰ぇ!!!」


「お前じゃね?!?!」


「俺昨日やったぁー!!!!」


ラビッツフィール寮の面子がラビットフォール寮に入ると、大きな声が飛び交っていた。



するとラビッツフィール寮から入ってきた葵が呆れたように口を開いた。


水 瀬 葵 。
水 瀬 葵 。
ラビットフォール寮、僕らのところと同じくらいの人数なのに………騒がしい………
桜 音 あ り す 。
桜 音 あ り す 。
元気な子が多いから、しょーがないよねぇ〜……


それに共感するようにありすが葵に話しかける。



葵とありすが話していると、2人の後ろから影が忍び寄る。

葵とありすが驚いて後ろを振り返ると………


兎 瀬 裕 樹 。
兎 瀬 裕 樹 。
葵、あーちゃん、おっはよぉ!
水 瀬 葵 。
水 瀬 葵 。
なんだ、裕樹ですか………おはようございます
桜 音 あ り す 。
桜 音 あ り す 。
ゆうくんおっはぁ!!

ただ2人に挨拶したかっただけの裕樹が。



ここの3人は比較的仲が良く、3人で行動することもしばしばあるのだ。


すると奥の方から申し訳なさそうに陽が出てきた。
兎 瀬 裕 樹 。
兎 瀬 裕 樹 。
あれ、陽くん、どうしたのー?

裕樹が声をかけると、陽はますます眉毛をハの字にして口を開いた。
颯 希 陽 。
颯 希 陽 。
今日の昼飯当番、裕樹くんだって………


その一言で、騒がしかったラビットフォール寮は沈黙に包まれた。

夜 月 楼 凪 。
夜 月 楼 凪 。
え、急に静かなんだけど何事………?

途中から入ってきた楼凪は騒がしかった寮が静かすぎるという現状に戸惑っていた。
飴 刻 苺 菜 。
飴 刻 苺 菜 。
や、なんか陽くんが裕樹にお昼ご飯当番だって言ったらこうなった


苺菜が楼凪に状況説明すると同時に、裕樹がお昼ご飯担当と言う事実に嘆く人がちらほら
兎 瀬 裕 樹 。
兎 瀬 裕 樹 。
……なんかあれだけど、作ってくるわ!!


何故沈黙が続いているのか分かっていない裕樹は、呑気にキッチンに向かおうとする。


すると、凄い形相で裕樹の前にたちはだかる人が3名。

兎 瀬 翔 。
兎 瀬 翔 。
裕樹っ、裕樹はちょっとキッチンに行くのはやめておきましょう!!ね?!

ブラコンと言えばこの人、翔
兎 瀬 翔 樹 。
兎 瀬 翔 樹 。
お前がキッチンにたったらろくな事が起きない

呆れ顔で厳しい事実を突きつけてくる翔樹
瑠 璃 川 隼 人 。
瑠 璃 川 隼 人 。
何考えてんの裕くん!!裕くんはキッチン出禁!!!

チャラ男のくせに家事全般出来る隼人


キッチンの平穏は俺達が守る隊に裕樹は、お昼ご飯を作る事を止められてしまったのだ。


すると後ろから

水 瀬 葵 。
水 瀬 葵 。
裕樹は料理ができないんですね。なら僕が


と、葵が微かにドヤ顔を顔に浮かべながら出てくる。


だがドヤ顔だったのもつかの間

水 瀬 茜 。
水 瀬 茜 。
葵も料理しちゃダメだからね?指切るでしょ?

シスコンと言えばこの人、茜
水 瀬 夏 七 。
水 瀬 夏 七 。
あたしが言えたことじゃないけど、葵の料理の腕、酷いからね?

さらっと貶してくる夏七
桜 音 あ り す 。
桜 音 あ り す 。
葵?あんたもキッチン出禁ね?

可愛い顔して絶望を与えてくるありす


キッチンの平和は私達が守る隊に葵もお昼ご飯を作る事を止められてしまったのだった。
夜 月 楼 凪 。
夜 月 楼 凪 。
ゆうっちが料理できないからめちゃくちゃ空気が重かったのか!
楼凪が感心したように言うと、あははと乾いた笑いが周りから聞こえてきた。


裕樹と葵は2人してぶーぶー文句を言っているが、ほとんどの人間は聞く耳を持たず、誰が変わりにお昼ご飯を作るか話し合っていた。

舞 乃 彩 葉 。
舞 乃 彩 葉 。
わいが作りましょか?和食だけなら作れますけど
鳳 城 桃 歌 。
鳳 城 桃 歌 。
私も簡単なのなら作れるよ?
水 瀬 茜 。
水 瀬 茜 。
私も
瑠 璃 川 零 武 。
瑠 璃 川 零 武 。
俺、(難しくないのなら)作れる
瑞 濱 光 璃 。
瑞 濱 光 璃 。
……なら、私が作ろうか?
瑞 濱 璃 玖 。
瑞 濱 璃 玖 。
姉さんはツマミしか作れないからダメです
夜 月 楼 凪 。
夜 月 楼 凪 。
じゃ、じゃああたしがっ………!
飴 刻 苺 菜 。
飴 刻 苺 菜 。
いや、手当するの私だから


周りにまともに料理できる人が居ない……そして、この人数分の料理を作りきれる人間が少ないと言う事実に、ラビットフォール寮内の全員が絶望していた。



その時だった
白 石 凪 。
白 石 凪 。
あ、あの、俺……作れます、料理

凪の凛とした声がひびき、全員の視線が凪に向く
白 石 凪 。
白 石 凪 。
ぁ、えと、得意料理は、オムライス、です、!

凪が高らかに得意料理を発表すると、全員から歓喜の声が上がった。
兎 瀬 翔 。
兎 瀬 翔 。
凪さん、今日のお昼ご飯、任せてもいいですかね

翔が少し申し訳なさそうに聞くと、凪は「全然大丈夫です」とガッツポーズをした
白 石 凪 。
白 石 凪 。
ぁ……ただ、キッチンの上の方にあるものが取れないので…………それを取っていただけたら…………

凪が「ここのキッチンは上に広いので」と伏し目がちで伝えると、尊が立ち上がって
兎 瀬 尊 。
兎 瀬 尊 。
んじゃあ俺お手伝い〜♪
とるんるんと効果音がつきそうな声色で伝えた
白 石 凪 。
白 石 凪 。
あ、えと、じゃあ、作ってきます


と、凪は上機嫌な尊とキッチンに入っていった。



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