あなた「いただきます」
母は私にそう言って家を出た
診断結果を聞いてからもう2週間という時がたった
とくに大きな症状は出ていない物のすこしフラフラすることがある
あなた「まぁ..ちっちゃい頃から頭痛とはお友達だから」
もう実はこれに関しては開き直っていたりする
あなた「よし」
今日は登校1日目だ
私は 診断結果を受けたあと転校を決めた
校長先生と話をして10ヶ月のみという約束で私の偏差値では入れなかった高校へ
ずっと行きたくて仕方がなかった皇学園だ
制服も可愛いし学園内はとても煌びやかで皆が輝いて見える
そしてちょっと下心もあったりする
あなた「ん?」
スーツを着ていつもより綺麗にしている母が言った
あなた「そう? 私はあんまりしてないなぁ」
少し笑って母は言う もちろん診断結果なんて小さい頃から鬼のように聞いてきた
当たり前に慣れてしまった
あなた「あっ」
目に映る光景に思わず目を大きく開けた
制服は皆白カーディガンに暗い赤ネクタイで統一されている 私にはそれだけでキラキラして見えた
あなた「皆可愛い..」
ここからはじまる私の10ヶ月のみの生活
私はある人に会いたい
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!