第21話

魔人のはなし
2,768
2019/07/31 11:18
太宰治
太宰治
変な絵だねぇ
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
そだね~
広津柳浪
広津柳浪
絵画を理解するには
歳の助けがいる
太宰、広津さん、私は美術館にいる
二つあるうちの椅子のうち


右側に太宰が、左に私と広津さんが座っている
太宰治
太宰治
やっぱり美桜がついてきたね
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
もちろん
ってか、呼び出したのは

太宰でしょっと思ってると
太宰治
太宰治
このくらいなら私にもかけそうだ
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
一時間あれば余裕だね
広津柳浪
広津柳浪
君たちは凡そ何でも熟すが...
太宰くんが幹部執務室の壁にかいた自画像を覚えてるかね?
太宰治
太宰治
あぁ、首領の処のエリスちゃんが
敵の呪いと勘違いして大騒ぎ
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
あの絵はたしかに、ひどかったよね
クスクスと私たちが笑ってると

太宰が話を変えた
太宰治
太宰治
広津さん、例の件助かったよ
広津柳浪
広津柳浪
途中で美桜さんに
気づかれてしまったけどね
あの程度で良かったのかね?
私は白鯨潜入作戦を樋口くんに
漏らしただけだが
太宰治
太宰治
彼女が知れば芥川くんに伝わる
芥川くんも知れば必ず乗り込んでくる
そして、美桜が二人を引き合わせる
全く...太宰のこの


推理?叶わないなぁ...
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
私は特になにもしてないよ
芥川と敦くんが招いたこと
そして、広津さんは、一息ついて
広津柳浪
広津柳浪
そうまでして芥川くんと
虎の少年を引き合わせた理由は何かね?
太宰治
太宰治
確かめたかったからさ
芥川くんは単独でも十分破壊的だけど
本来は護衛で真価を発揮する異能力者
敦くんのように速度と根性骨タフネスを持つ前衛を補強してこそね
...すごすぎるよ

ほんと、太宰はすごすぎる

私も途中から気づいてはいたけど

ほんとに最初からではない
広津柳浪
広津柳浪
いつからこの状況を目指していた?
私は当然最初からなんでしょ?という意味で

ウィンクをした
太宰治
太宰治
敦くんと最初にあったときから
美桜も敦くんとあって何か感じただろう?
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
まぁね、太宰が新しい時代の双黒コンビを目指してるのは薄々気づいてた
太宰治
太宰治
うん...美桜の言う通り
新しい世代の双黒が必要だ
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
ほんとにくるんだね...
あの厄災が...魔人の驚異が...
太宰治
太宰治
うん...ここから先は私にも見えない...けれど奴は既に動いているはずだ
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
あの太宰が先の展開を見ることができないなんてね...
美桜は静かに目を閉じた
太宰治
太宰治
...ねぇ、美桜...
宗太郎は...?
完全に忘れてた...

あいつが帰ってくるんだっけ...

私はその名前を聞いたとたん震えと寒気が出てきた
広津柳浪
広津柳浪
その事ですが、今日の朝
ポートマフィアに着き...
宗太郎さんは、今家に戻ってるはず
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
...どうしよう......
広津柳浪
広津柳浪
大丈夫だと...
首領もあのものは嫌っている
そして今日はパーティー...紅葉幹部主催のがあるらしいので...そこには来ないかと...
そうだよね、あっちには

姐様と中也と首領も梶井もいっぱいる
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
小鳥遊 美桜(たかなし みおう)
うん、わかった
先いってて。太宰と探偵社によってから
帰るから
私は探偵社に一緒に歩いていった





~その頃ポートマフィアにて~
黒瀬 宗太郎(くろせそうたろう)
黒瀬 宗太郎(くろせそうたろう)
あれれ?パーティーでもすんの?
中原中也
中原中也
手前は呼んでないんだが?
尾崎紅葉
尾崎紅葉
宗太郎はこないでくれるとありがたいんだがのぅ
黒瀬 宗太郎(くろせそうたろう)
黒瀬 宗太郎(くろせそうたろう)
二人ともひどいねぇ
久しぶりに会うと言うのにさ
芥川龍之介
芥川龍之介
あなたは
ポートマフィアを破滅に追い込んだもの...
樋口一葉
樋口一葉
そうですよ...美桜さんに
触れさせるわけにはいきません!
エリス
エリス
そーよ、美桜は
私たちの大切な子なんだから!
森鴎外
森鴎外
首領として命じたいねぇ
このパーティーに立ち入るな
黒い影は、


ポートマフィアを飲み込むのか


それとも、一人の少女を


飲み込んでしまうのか



次回予告

美桜「私の過去なんていいことなんてない。ましてやあの頃は...」

乱歩「大丈夫だよ。僕たちは味方だよ。」

美桜「中也逃げて!」

宗太郎「ねぇ美桜?なんで僕に支配されてくれないの?支配されてよ?ねぇ美桜?」

中也「手前なぁ、美桜のことを支配とかそんなことして何がしてぇんだよ」

森さん「...君との約束でやめさせないように決めたんだがねぇ...これが最適解と判断したよ。君はポートマフィアには必要ない」

美桜「私は...宗太郎なんかの手に落ちないから」

樋口「大丈夫ですよ。私は」

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