前の話
一覧へ
次の話

第2話

放課後誰もいない教室に寝転んで
34
2020/12/26 04:38
 ふあぁああぁあ…

猫のように大きく欠伸して、陽芽はうーんと伸びをする。
鳴海 陽芽
鳴海 陽芽
あーもーお腹すいたよー眠いよー
陽芽はゔーとかあ゙ーとか言いながら机につっ伏した。そんなだらしない陽芽に、友達の麻友_まゆ_が、くすくすと笑った。
麻友
麻友
もー陽芽ちゃんたら。ほら、あと1時間頑張ればお昼ご飯だよ?
鳴海 陽芽
鳴海 陽芽
あと1時間とか待ってらんないよう。
麻友
麻友
じゃ、今食べちゃう?あと5分でチャイムなっちゃうけど。
鳴海 陽芽
鳴海 陽芽
あたし5分で食べる自信ないからなあ…
うーん、やっぱあと1時間頑張る。

我慢して1時間だけ授業集中しよう!と陽芽は意気込んだ。ぐっと机の中にいれた手のひらを握って軽く気合いだけ入れる。だけども、やっぱお腹すいたあああっと陽芽は唸る。と、ふとばちんと翠詞と目が合った。陽芽の瞳が大きく開いた。どくん、と胸が打つ。翠詞も、少し瞳をまるくしていた。一瞬だったけれども、それは何十秒にも感じられた。ふぃっと視線を逸らしたが、1度鳴りだした心臓は止まなかった。

鳴海 陽芽
鳴海 陽芽
(え、え、なんで見てるの!?そんなうるさかった…?やだ恥ずかしいんだけど!もしかしなくても今私の事見てたよね……。悪い方じゃないといいな……)
脳内で混乱して赤面した陽芽は、チャイムがなっているのにも気がつけずに机に突っ伏した。
鳴海 陽芽
鳴海 陽芽
(やらかした〜〜!)

プリ小説オーディオドラマ