第3話

再会と新たな出会い
162
2020/04/09 01:29



少しの沈黙__。




カンタ
え、あなたさん…?
カンタ
小学校が同じだったあなたさん?
あなた
やっぱり、佐藤くんだよね?!
カンタ
あなたさんだ…!
私たちは思わず顔を見合わせて笑った。
そう、この笑顔。


顔がクシャクシャになるくらいの素敵な笑顔。
カンタ
まさかあなたさんと再会できるとは思ってなかったな…
あなた
私もだよ!
あなた
佐藤くん、全然変わってない(笑)
カンタ
嘘でしょ?(笑)
ちょっとは変わってるでしょ!
あなた
ううん、あんまり変わってないよ(笑)
カンタ
まあ、あんまりってことは少しくらいは変わってるってことだよね
あなた
ポジティブ思考すぎない?(笑)
カンタ
そうかな?(笑)
カンタ
あなたさんはなんて言うか、大人っぽくなったよね、全体的に
あなた
なに、老けたってこと?
カンタ
違うって!(笑)
私は何故か少し照れる佐藤くんを見て、思わず笑ってしまった。
カンタ
…でも
あなた
ん?
カンタ
…小学校の時より、ずっと綺麗になったような気がする。
あなた
え、、!
驚きと恥ずかしさで一気に顔が熱くなる。
あなた
(佐藤くんて、こんなにサラッとそんなこと言っちゃうの?)
カンタ
顔赤いけど大丈夫?
あなた
(え、天然?)
あなた
うん、大丈夫…!
カンタ
そっか、ならよかった
また、その笑顔…。
佐藤くんには、ドキドキさせられっぱなしだ。
???
カンタぁ
カンタ
あ!トミー!
あなた
(あの人、さっき佐藤くんと一緒にいた人だ)
「トミー」と呼ばれた佐藤くんの容姿と真逆の彼は、少し手を挙げながらこちらへ歩いてくる。


その、なんていうか…





怖い。





トミー
カンタ
うぃ
2人はさっきと同じように、仲良さそうに挨拶を交わしている。
トミー
あ!!!!
あなた
えっ
「トミー」と呼ばれた大柄の青年が、私を見て大きく驚いた。
トミー
さっきの人じゃん!!!
あなた
あ、ど、どうも…
トミー
同じクラスだったんだ、カンタ
カンタ
そうそう、
しかもさっき同じ小学校だったことが判明した(笑)
トミー
え!!まじかよ!!
トミー
すげぇな…
トミー
…で、君名前は?
あなた
あ、あなたです…!
トミー
あなたちゃんね
トミー
俺、富永知義。
よろしく!
あなた
富永くん…!
よろしくね!
トミー
トミーでいいよ
そっちの方が呼びやすいっしょ?
カンタ
俺もそう呼んでるしね!
あなた
じゃあ、トミーで!!
トミー
おう、仲良くしようぜ


そう言うと、トミーはニカッと笑った。




思ったより、悪い人ではなさそう。


むしろ、優しそうな人だな。


よかった…。







チャイムが鳴ると同時に、担任の先生らしき人が教室に入ってきた。


トミーが「あ、やべ」なんて言いながら教室を慌てて出て行くのを横目に見ながら少し笑っていると、佐藤くんと目が合った。


佐藤くんが、ふわっと笑う。


私も、自然と笑みがこぼれる。





こうして私のJK lifeが幕を開けた__。

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