第3話

Moon night ( 山田涼介 )
369
2019/10/01 10:33
破産 ……  ?  俺のミスで …… ?






それはないはず 。 先輩たちも 、そんな失敗くらい沢山したから 気にするなって言ってくれた 。


── 破産 なんて …… 、 破産なんて …… 、 有り得るはずがない 。


「 ふざけてます ? マジで警察呼びますよ ? 」


『 いいえ 。 ふざけてません 。 山田涼介さん 、あなたは 会社のビルの屋上から飛び降りてます 。 』





そう言って 女性が取り出したのはスマホ 。 どっからどう見ても 、未来のスマホって感じがした 。 だって 、何もしていないのに 、 ある動画が再生された 。




屋上に人 。 それをたくさんの人が下から見ている 。 中には警察らしき人も 。
やめろ ! やめるんだ !!
そう 叫んでいる人がしばしば 。 ほとんどの人はスマホを片手に俺 …… らしき人を撮っている 。

その瞬間だった 。 男性が飛び降りたのは 。 さすが未来のスマホ 。 遠くから撮っているというのに 、 鮮明にその姿が捉えられていた 。 弾ける体 。 あちこちに血が散乱し 、 手や足などのパーツもとれているようだ 。


「 …… うわ 、 これ 、ほんとに …… 」


『 はい 。 言うまでもなく 。 』


「 それであなたは …… 、俺を幸せに …… ? 」


『 はい 。 幸せにするまで帰れません 。 』


「 ふは 、俺 、幸せにとかなりませんよ ? 」


『 してみせます 。 だって 、未来人です 。 方法なんて沢山ありますので 。 』



未来の力使うって なんか嫌だし酷い気もする 。 女性は自信満々そうに話しているが 。



「 もしかして …… 、 この部屋に …… ? 」


『 もちろん ! 住みますよ ! あ 、でも 、家事とかはちゃーんと やりますので 。 』


「 は 、はあ …… 、 」




家事だけで 、ニコニコされても困ります 。 俺の部屋だし 。 一応言っときますけど 、ちゃんと人くらいたぶん誰か来ますからね !!



「 人くるんでやめてください 。 」


『 それはご心配なく 。 未来ではこれから あなたの家には誰も来ていません 。 もしも 、来た場合は 未来人なので 大丈夫 ! 』



未来予知 …… ですか 。 ふーん 、なんか面白そう 。


あ ! 試してみるのもありか ! 


俺は絶対に 幸せになんてならない 。 なるわけがない 。



好きでもないやつに 、幸せにさせられたら 終わりだからな俺 。




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