第15話

Present ( 知念侑李 )
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2019/10/07 10:40





椅子に遠慮がちに座ってるあなたさん 。 可愛い 。


ここね 、僕が小さい頃から通ってるお店なんだよ 。 ほんとに美味しくてさ 、社員全員連れてくるのが 密かな僕の夢でもあるんだ 。


さっきから 、 静かなこの部屋 。 そうなるよね 仕方ない 。




『 あなた さん 』


「 はい っ ? 」


『 敬語ダメ 。』


「 ええ 、 知念さんって社長でしょ ? 」


『 名前呼んでるとこで 、 社長の概念なくなってると思うけど ? 』




しまった 、 そんな顔で見てくるあなたさん 。 そういえば 、あなたさんは僕のこと 侑李って呼んだもんね 。

じゃあ 、お返ししよっと 。


『 あなた 』


「 …… 、 ふええええ !? 」


『 何その 驚き方 。 変なの 』


「 だってだって 、呼び捨てするから …… 、」


敬語 使わなくてよくなったみたい 。 やるじゃん僕 。 にしても可愛いなああなたって 。


なんかこう 見た目が 美少女って訳でもないんだけど可愛いんだよね 。 おっちょこちょいだからなのかな ?


ふと 、 ある思いが僕の中を駆け巡った 。



『 好きな人 いる ? 』




つい言ってしまった言葉 。 普通 こんな事聞いても のー と 答えられるだけ 。 今までもそう 。 いる ? って聞いても のー って言われて 、喜んでたら 彼氏と一緒にいるとこ見ちゃって 。


あなたにいなかったら 嬉しいな 。


僕にもチャンス あるかな ? なんて 。



「 可愛いんですね 、 社長 。 」


『 ん ? 』


「 いますよ 。」


『 そっか 、』



ガッカリした 。 今までで1番 。 勝手にいないって思ってた自分がいたから 。

チャンスあるとか考えてた事がバカみたいで 。


今すぐここから 出ていきたかった 。



『 ごめん 、 トイレ 』


「 ふふ 、嘘だ 。 気まずいからでしょ ? 」




何この形勢逆転 。 立場交代したの ? 僕 。 てか バレてるし 。


余計に気まずいな 。 僕が誘ったのに出ていくわけにはいかないしな 。




「 補足 」


『 なに 、僕を励ますための ? 』


「 違います 。 逆です 。」


『 泣かせるための ? 』


「 んー、 分かんない 」


『 何言ってんの ? 』


「 ふふ 、補足 。 目の前に 私の好きな人はいます 。」



目の前 …… 、





え、僕 ?




僕 …… しか いないよね ?



ほんとに 僕 ? そんな事ありえるの ? 泣くよ僕 。 大きな声で泣いちゃうよ ?




「 ふふっ 、侑李って泣き虫 」


『 うるさい 。 方向音痴 』


「 あー 、酷い ! 」



僕は幸せです 。

彼女は嘘をつくような人じゃありません 。




『 僕の彼女 なってくれますか ? 』


「 よろこんで 」


『 やった!!! 僕だけのあなただもん 。』


「 はやいよ それ言うの 」


『 いいもん ! ずっと言うもん ! あなたは僕の !! 』



あなたがくれた 最高の プレゼント 。




1番嬉しい 、1番印象深い プレゼント です 。

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