第11話

Present ( 知念侑李 )
302
2019/10/05 10:09
暑い 。



真っ黒になっちゃう 。




夏ってやだなあ 。





「 遅刻だ 急げええ ! 」







まさかの初出勤に寝坊 。 髪はボサボサだし 、朝ごはん食べてなくてお腹ぺこぺこだし 、 おまけに暑い 。 夏にダッシュとか地獄 。


ここは東京 。 人が多い 。 スクランブル交差点なんかものすんごくやばいです 。

電車に乗っても 、人 、人 、人 。


なんてこった 。




職場に着いたのはいいけども 、汗だく 。 しかもどこか分かんない 。 デカすぎるここ 。

大手企業に 就職が決定したのはつい先月の話 。 何故か相当人が足りていないだとか 。


大手企業 が 人手不足ってありえない 。



すると 、目の前から 小柄な男の子が歩いてきた 。 

時計を見ると 、 社員の出勤時間は過ぎている 。

あくびをしながら こっちを見てきた 。



『 どうしたの ? 迷子 ? 』


「 …… 、 ○○ってとこ 知りませんか ? 」




私が聞いたのは今日から 配属する部署 。 ちゃんと地図みたいなのは貰ったんだけど 、方向音痴の 地図読めないアホには 無理でした 。




『 あ ! もしかして ! 新人の子 !? 』


「 そ 、そうです 。 神崎あなた です 。 」


『 研修とか トップだったんだってね 、 』


「 何故それを ? 」


『 まあ 、僕の正体は後にして 。 遅刻だよ ? 』


「 あ ! ほんとだ 、 じゃあこれで ! 」


『 え 、ちょっと待って ! 道分かるの !? 』



沈黙が流れる 。

図星 。 一体私はどこへ向かおうとしてたのだろうか 。




『 ここ曲がって左だよ 』


「 ありがとうございます ! 」


『 頑張ってね 』


「 はい ! 」



親切なお方のおかげで 、怒られたけど 、 なんとか着きました 。





後に知る事になるのですが 、 あの方 。 この会社の社長らしいです 。

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