第3話

彼女
遥ちゃんらしき人の隣には女の人が微笑んでいて、
二人ともとても幸せそうだった。
二人とも美男美女でお似合いで、
もし、その人が遥ちゃんだったら· · ·なんて
考えたくもないことを考えてしまって· · ·
落ち込んでる時、遥ちゃんらしき人が
こちらをみて、驚いたように
「彩奈?!」と言った。
「えっ· · ·?」
遥ちゃんらしき人は私の両手を包むように握り
「覚えてない?!俺、遥斗!遥ちゃんだよ!」
って、満面の笑みで言ってきた。
「· · ·覚えてる· · ·よ· · ·遥ちゃん!」
嬉しさなのか、悲しさなのか、悔しさなのか
分からないけど、涙が溢れてきて
上手く笑えずに名前を呼んだ。
「遥ちゃん· · ·会いたかった· · ·」
周りから見れば、何事だって思うだろうけど
今はそんなの気にしない。
やっと、遥ちゃんと出会えたから。
会いたかった遥ちゃんは、
少し困り顔で· · ·だけど明るい笑顔で
「俺も会いたかったよ!彩奈!」っていうから
また、涙が溢れた。
「遥斗ー、その子誰ー?」
急に割り込んだように話しかけたのは
さっき、遥ちゃんと一緒にいた
美人さんだった。
「あぁ、この子は俺の幼なじみの彩奈!
小学校の頃、転校しちゃう俺が、
桜ヶ丘高校で必ず会おうって約束した子だよ!」
遥ちゃんは、幸せそうな表情で言った
そうか、遥ちゃんとこの子· · ·
きっと付き合ってるんだ。
「ふーん· · ·遥斗、クラス表見に行こ!」
彼女らしき人はそう言って遥ちゃんを
引っ張って行った。
「お、おい!あ、またな!彩奈!」
手を振って去っていく遥ちゃんの
背中を見つめて、
同じクラスになりたかったはずなのに、
もう、会うことも楽しみじゃなくなった。
ごめんね· · ·遥ちゃん。
私は遥ちゃんと同じクラスに
なりたくないよ。。。
「なに、遥斗あんまし、変わってないじゃん!」
結衣はそう言ってケラケラ笑っていたけど、
初恋は、叶わないんだと思い、先にすたすたと
歩き出した。