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第1話

プロローグ
「遥ちゃん!」
私は幼い頃、遥斗の事をそう呼んでいた。










小学校1年生に入学すると同時に、
近所に同い年の男の子が引っ越してきた。
学校のクラスは同じクラスで、
それがきっかけで仲良くなった。
放課後も一緒に帰って寄り道して、
遅くなって帰ってきてお互い親に怒られたのを
覚えている。





いつの間にか遥ちゃんは、わたしにとって
とても大切な初恋の存在になっていた。
明るくて元気な遥ちゃんは、クラスの
人気者で、女子にも人気者だった。
そんな女子に幼いながらも嫉妬を覚え、
遥ちゃんは、(私にだけ優しくしてくれれば
いいの!)なんて、思っていた。



遥ちゃんとは、小学6年までずっと、
同じクラスで「彩ちゃん」って遥ちゃんに
呼ばれていたのがいつの間にか、
「彩奈」と呼び捨てで呼ばれるようになった。


遥ちゃんは、クラスの女の子以外に
他クラスの女の子にもちゃんづけをしているのに
私には呼び捨てで、特別感があって正直
嬉しかった。


女子には、恨まれることは無く、
逆に羨ましがられていた。
男子には「お前ら、付き合ってるんじゃねーの?」
って冷やかされるのも日常茶飯事になっているほどだった


ある日、遥ちゃんから、
「俺、中学はこの地域じゃなくて
隣の県の方になるんだ。」なんて告げられた。
私は一瞬意味がわからなくて、固まっていると
「· · ·引っ越すんだ。」と言われた。
このとき、私と遥ちゃんは中学でも
同じクラスになれない。もう、一緒に
いることが出来ないって感じて、
泣いてしまった。でも遥ちゃんは我慢してるのか
涙が出ないのか分からないけれども、
ハッキリと「桜ヶ丘高校· · ·
俺たちは、桜ヶ丘高校に受験して、
高校で必ず会おう」って言ってくれた。
その約束に私は「うん!絶対!」と言って
約束することにした。
遥ちゃんがいない中学校生活はつまらない!
って思ってたけど、たくさんの友達に
囲まれて、私は遥ちゃんがいなくても、
ちゃんと、生活はできる!なんて強気でいた。
きっと、また会える。
また、遥ちゃんに恋して
また、遥ちゃんと放課後帰ることが出来る。
なんて、思っていた。