グルッペンは遠くのシッマと大声で会話を交わした。
それもとても嬉しそうな顔をして。
そう思いながら僕はラストスパートを走り切った。
みんなわちゃわちゃしていて本当に楽しい。
そう思いながらみんなを眺めていた。
僕はずっとみんなを見ていてぼーっとしていた。
そのため、ゾムの返事に遅れてしまった。
返事をした瞬間みんながそそくさと僕の方に目線を向けた。
僕はオスマンから泣いてると言われ、
慌てて顔をマフラーで隠した。
シャオロンは僕が泣いていると聞き、
一瞬で僕の方に近づいてきた。
危険を察知した僕は
シャオロンから逃げるように勢いよく飛び出した。
ロボロはみんなに僕を捕まえろと命令すると全力で走り出した。
もちろん、みんなも命令を喜んで受け取り、
僕の方へ走ってきた。
その後、すぐに近くにいたゾムに追いつけられ、またもやぶっ倒された。
倒れた僕の周りには徐々にロボロに捕まった人達が次々にやってきた。
そして最後にゾムとロボロの一対一になった時、
ロボロはすぐに白旗を上げた。
勝ったと大喜びしているゾムと疲れ切っていたロボロが帰って来た時、
みんなで横一列になって草原に寝転がった。
みんなが笑っている。
この状況が本当に楽しい。
きっとこのみんなだから、楽しいんだろう。
本当に彼らには感謝しかないな。
あ、そうだ、今なら_
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。