もう少し先だけど、提出期限が迫っている数学のレポートを進める
けど、
授業で絶対習ってねぇだろ、
応用問題って書いてあってもどこが応用されてんだかさっぱりわかんねぇ…
突然俺の机の真横にある窓からてひょんあがひょこっと飛び出てきた
そのせいで肩がびくって上下したし、驚いた影響で心臓も音を立てる
デコピンを食らわせると
あいたっ…
なんて声を上げてわざとらしく後ろに仰け反るてひょんあ
いひひ、なんて唇をハートの形にして笑うもんだから断るものも断れない
てひょんあが窓枠を軽く叩く
人が居ないことを確認して、仕方なく窓枠に腰をかける
てひょんあが俺に抱きついてきたかと思うとそのまま持ち上げられる
図書室の窓から見えるのはただの草地、ここを複雑だけど真っ直ぐ行ったり曲がったりするとあのベンチに行き着く
何も無いこともあって生徒はほとんど誰も通らないし、 実際人気は全くなかった
恥ずかしすぎててひょんあを見られない
首に腕を回してそのままぎゅっと抱きつく
そんなことを話している間にベンチにつく
そっと俺をベンチに下ろしてくれたてひょんあ
俺の隣に同じように腰掛けると自分の膝をぽんぽんと叩いて、俺を見る
手をぐいっと引っ張られて体勢を崩し、そのままてひょんあに膝枕される
てひょんあが優しい手つきで頭を撫でる
木々の間から漏れる太陽の光が俺に鬱陶しくない程度に当たって心地が良い
なにもかも快適だ
俺は抗うこともできず、その眠気に体を任せ、ゆっくり目を閉じた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。