そうだったんだ…私は…
主人公の姿が変わりきさらぎの姿になった。
きさらぎだったんだ…
姿が元に…
ここは私が考えた世界…じゃあ今まで見ていた夢は全て…
きさらぎ…貴方が生きていた時の記憶とここに来て車掌が変えた魂が入り交じっていたのでしょうね。
……車掌…フジニア?
その名前で呼ばれたのは久しぶりです…怒らないのですか?私は…あなたの魂を結び付けて…また!あの時のように…本当は怖かったんです。あなたが残した一言を聞くのが…このレコードを今まで見てもその一言だけは知ることが出来なかった。
ーー
よろしいのですか?また流しますよ…
お願いします。
きさらぎの過去が流れきさらぎが残した言葉を聞こうとするが聞こなかった。
止めてください。またお願いします。
はい…では流します。
結局聞けることは無かった。
ありがとう。今回もわざわざ来てくれて…
いえこれも仕事ですから。車掌は…
わかったよ。あとは任せて…
門番様!
写真家?どうしたの?
もう見ていられません!車掌のやつれていく姿を見るのは!あの方を解放してあげて下さい!あなたも気づいているはずです。我々は彼女の言葉を聞こえるけど車掌は聞こえない。このままでは…彼女の魂も持ちませんし…
わかった。こちらに任せてよ。
写真家は不安そうにお辞儀して帰っていき車掌室にマジシャンは行くと電気も付けず部屋は暗かった。中に入りランプをつけると車掌は隅っこで座っていた。
車掌…大丈夫ですか?
マジシャン…またダメだった…また聞こえなった。きさらぎの言葉が…
車掌…やっぱり彼女の魂を成仏させないと君も危ないし彼女の魂も畏敬に飲み込まれてしまうよ。それでもいいのかい?
よくない…でも…きさらぎを成仏させたら…俺…1人になっちゃうんだ…それに…言葉ももう聞こえなくなってきて…カーナにもらった酒薬を飲まないともう見えないんだ。
だからこんなに飲んだのかい?無理は良くないよ…約束して欲しい。もしも彼女が最後まで気づくことなく彼女の駅になった時彼女の魂を成仏させる。それでいいかい?
うん…
車掌は震えて頷きマジシャンはその背中を撫でていた。次第に車掌は泣いていた。
……車掌…今度こそ必ず…
話を聞いていた堕天使は何かを呟いた後その場を去った。
ーー
ずっと後悔していたんです。車掌になってからずっと…あなたに打ち明けないといけない…しかし打ち明けた後…あなたになって言われるのか怖くて…最初は覚悟をしていたんです。どんなに罵られようと受け入れようと…しかし時が経つにつれて…私は怖くなってしまったのです。最低でしょう?縛り付けて死なせたのにまた縛り付けていたなんて…罵られて当然です。
顔を上げてよ…車掌…私は…
その時だった。いつの間にか赤い月が登り地獄の門が開いていた。
地獄の門が…まずい!このままでも二人共おちるぞ!
うわっ!
間に合わない!
2人とも手を伸ばせ!
落ちそうになり車掌はきさらぎを抱えたものの間に合わず2人とも地獄に落ちてしまった。
うわああああああああぁぁぁ
きさらぎ!フジニア!
あと一歩で掴めなかったマジシャンは地獄の門に入ろうとすると堕天使が止めた。
無駄だよ!この門から落ちた者はもう助からないんだ!
そんなこと言ってる場合か!この門は地獄に続いてる!このままじゃ2人とも落ちる!それだけじゃない!閻魔に見られたらそれこそ終わりなんだ!私は地獄の門番なんだ…退いてくれ!
………なら連れて行ってくれ。
何言ってんだ!連れて行ってもお前だって落ちて…
元々堕天してるからこれ以上落ちようがないだろ!それに堕天したのは…自分から落ちたんだ。せめてもの償いだった…それももう…終わりだ。やり方を間違えたんだ…だから…連れて行ってくれ…
離れるなよ?
マジシャンが堕天使を連れて地獄の門へ入ると門はしまった。
……行かなきゃ。
え?どうしたの?ネム?ネム?
どこに行くの?
ネムは突然話したした後門を呼び出した。
それは地獄の…なんでネムが…いくら神様でもそれはできないはず…
もしかしてネムの正体は…
ーー
地獄に落ちた後目を開けると車掌はきさらぎを探した。
きさらぎーー!どこだ!
探してもきさらぎは見つからない。叫んで探して回っていると地獄の醜い罪人の魂が足元に絡みついてきた。
ゔっ…あががっ…離れろ!
なんと鎌を出して魂を切り刻むときさらぎの叫び声がした。
待ってろ!きさらぎ!
駆けつけると同様にきさらぎも体に触れられたのか火傷のあとが着いていた。
早くここから出て帰るぞ!
車掌…わた…は…
その時きさらぎの魂が不安定で消えそうになる。地獄に落ちたからだ。早くその魂を正しく導かないと…
ここから出るぞ!早く!
「どこに行くんだ?」
と聞かれ声の方へ振り返るとそこに居たのは閻魔だった。
鳥肌が止まらず震えながらきさらぎを隠した。
なっなんで貴方がここに?
それは私が聞きたい。ここは地獄だぞ。私がいるのは当然だ。
そっそれは…
お前のことは既にわかっている。
なっ何を分かっているのですか?
そこにいる人間についてだ…出てこい!悪いようにはしない。
わかりました…
やはり人間がここに…しかもその魂は縛られておったようだな。
はい。申し訳ござい…
謝る必要などない。必要など無意味だからだ…
………
死神よ。お前に命じる…その人の魂を地獄に落とせ。
きさらぎを…地獄に…なぜです!きさらぎは何も全然も悪戯は何もしておりませんし、それに!
私に逆らうつもりか?私は全て見ていた。お前のこともその人の子のことも。
え?見ていたというのは?
お前たちだって見覚えがあるであろう?
そう言われて見せられたのはネムだった。
ネムが…なぜ…
簡単だ。私が作ったからだ。お前たちの監視にピッタリだろう?見せてもらったぞ。全て…何事もきちんと職務を全うしていると思ったらやはりその人の子のことで失敗したな。お前は何度も縛りをつけ職務を放棄していた。
そっそれは…
これはお前の罰だ。お前の手でこの地獄に落とせ!そうすれは後は私か直々に対処する。
しっしかし!彼女は!
魂をいじり、縛り付けて尚地獄に落ちた魂が天国に行けると本気で思ってるのか!生前お前とのこともあり天国になど行けず地獄に来ることはこの閻魔の耳にも届いている。元々落ちる魂だったのだ。だからせめてお前の手で送ってやれ。フジニア…
そう言われて鎌を持たされた。きさらぎを地獄に落とすなんてこと…できるわけがな…
いいよ。フジニア…
きさらぎ…どうして!
元々覚悟はついてたの。思い出してから…ここに来たのもそんな気がしてたんだ。
でも…地獄に落ちるんだぞ!落ちたらどんな目にあうか分からないんだぞ!
それでもいいの。フジニアが導いてくれるなら私はそれでいい。確かな地獄は怖い。けど後は閻魔さんが何とかしてくれるから大丈夫!私ね地獄に落ちてしまうけどでもそれでもフジニアと過した時間が悪いなんて思ってないよ。むしろ幸せな時間だった。フジニアがいなかったら私はあの時死んでたから貴方を巻き込んでしまってごめんなさい。
そんな…俺の方こそ…名前をつけてくれ…友達になってくれてありがとう…酷いことも言ったのに…俺は…俺は…きさらぎと出会ってよかった。きさらぎとの思い出は絶対に忘れない…
うん…さよならは言わないよ…
ああ…
フジニア…最後に言いたいことがあるの…それはね…○○○○○○○○○○○○○○○…
今まで聞けなかったその一言を聞いて俺は泣き笑った後はきさらぎの魂を解放した。
ああ…聞こえたぞ…きさらぎの最後の言葉…俺こそ…ありがとう…
フジニア!閻魔もここに?きさらぎは…解放したのか?
泣き崩れた車掌の様子を見て駆けつけたマジシャンは理解した。
少しいいか?お前たちに話がある…その間この死神を安全な地獄牢に入れてくれ。
わかった。行こう?フジニア…
マジシャン…俺…きさらぎの言葉やっと聞けたよ。
そっか…それは良かったね。彼女は最後どうだった?
幸せそうだった…
それは良かったよ…
俺どうなるの?
まだ分からないけど…君がいないあの列車はなかったことに抹消されるだろう。君の処分はまだ分からないけどどの道消されることになるさ…
俺…できてたかな…立派にきさらぎの書いた車掌みたいになれてたかな…
きっとなれたさ。ここまでやったんだろ?
うん…あとは任せた…もう疲れたんだ。
マジシャンは車掌の頭を撫でて地獄牢に入れた。そしてまもなく幽霊列車が消滅した。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。