そう悲しそうに言ったことに対して自分もカッとなってしまった。
俺はきさらぎに襲いかかって食べようとした時きさらぎは泣きながらこう呟いた。
何かを言わなくちゃいけないのに言葉が出ず伸ばした手を下げきさらぎの顔を見ることもできなかった。きっと悲しい顔をしてる。俺の…俺のせいだ…俺のせいで…きさらぎを傷つけた。もうきさらぎの傍にはいられない。
俺は何も言わずに飛び去った。さよならと言ってしまえばもう二度と会えないような気がして…もう戻れない気がした…既にこの状況がそうなのに…
結局謝ることなく飛び出してしまいあれから2日たっていた。もうすぐでまた一週間が終わる…そう思っていた時だった。
見えない力で拘束されて動けない。
俺が壊した…あの時…きさらぎと出会って…会いたいと約束して名前をつけてもらって友達になって…それから…あの時も…あの時も…俺が…きさらぎを…俺のせいで…
俺は絶望と衝撃で悲鳴をあげて叫んだが声が出ておらずその声は代行人にしか聞こえなかった。
とフジニアを見て代行人は悲しそうに呟いた。
それと同時刻きさらぎの学校の屋上にはきさらぎがいた。メモで呼び出されきさらぎは気まずそうにフジニアが来るのを待っていた。
突然現れた天使にきさらぎは何もできず首を閉められた。
首を絞められて本能的に涙がこぼれそうな時顔が濡れて雨なのかと考えていたが違った。泣いていたのは天使だった。自分を憎みながら悲しそうな顔をしている天使だった。
きさらぎは苦しく意識が飛びそうになった時手を離された。
もう1人の代行人が現れ天使を拘束し天使は無抵抗のままいなくなり代行人が自分のところまで来た。その際天使は去る前に吐き出すかのように自分にこういった。
突きつけられた鎌を見てもきさらぎは怖くなかった。
きさらぎは最後に言うと覚悟を決めて納得し目をつぶった。
そう言うと代行人は鎌を振り上げきさらぎを切りつけた。不思議なことに痛みも何一つなかった。何故か込み上げてくる涙と共に体が落ちた。その時フジニアの姿が見えた。それはきっと…私が見たい走馬灯なのだろう…
必死に叫んで手を伸ばすその姿を見てきさらぎは笑った。
その一言を最後に私は死に絶えた。
フジニアside
フジニアは急いできさらぎの元へと向かいフジニアの様子を見届けた後管理人は話を始めた。
きさらぎは既に鎌で切られた後だった。
俺は必死に手を伸ばした。けど…届かずきさらぎはそのまま死んでしまった。どんなに泣き叫んでも意味がなかった。俺はその場でうずくまりきさらぎを抱き抱えていたが罪を裁かれるための場所に連れていかれた。
ーー
ーー
その後とお互いに笑いあってそれぞれの地位に変わりきさらぎの本の通りにルール通りに魂を導くことになった。ルールについても問題はなくそれから俺たちは魂を導き続けた。
お互いにカーナとグリンとネムを迎えて5人で導いた。道中で天使が今回の件で人を殺そうとして堕天使になったらしい。機会があれば堕天使となった彼と話をしたいと考えていた時だった…彼女がついにやってきた。
それはずっと会いたかった人…謝りたくて後悔した人だった。でも真実を知られると怖くて罵られたり嫌われたりましてや…きさらぎが地獄に行ってしまうのではないかと怖くなり真実を調べる前に記憶を消してきさらぎだけやり直した。
いけないことだとわかってる。しかし…きさらぎと居たい。導けば成仏してしまいいなくなってしまうのでは無いかと言う衝動にかられ繰り返した。
でもうそれもやめよう。今回で最後に…今までとは違いバレずにここまで来た。しかし記憶のレコードできさらぎが勘づいた。
もう隠してはいられない。真実を伝えないと…
その思いで彼女にレコードを見せた。
そう私が言ったのと同時にレコードの映像は終わった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。