第47話

十章過去は厄災を映す
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2021/01/19 09:34
あの後全ての乗客の前世を解明し列車は進み続けて止まった。

「え〜映しみ〜映しみ〜電車が止まります〜」
とアナウンスが鳴り列車が止まった。
車掌
映しみ駅…いよいよですね…
主人公
映しみ駅って何かあるのか?
カーナ(サキュバス)
映しみ駅はね〜この列車の最後の駅って言われてるの〜全ての魂の記録を映し保存する。それがこの駅よ〜これでもうこの列車はおしまいね。
主人公
無くなるのか?
車掌
そうではなく保存するだけですよ。ほら何事にも休憩は必要ですからほら来ましたよ!魂を保存する写真家です…
そう言われて大人しそうな老人らしき人物が乗ってきた。頭に角が生えていて人ではないが。
写真家(魂の亡霊)
これはこれは、御足労ありがとうございます。皆様もお疲れ様でした…次の役目まで御寛ぎください。
全員にお辞儀をして車掌室に向かっていった。
グリン(ゾンビ)
あのランプで記録するんだって〜でも僕らはその様子を見れないから見れる車掌はいいな〜
車掌
これも仕事ですから!カーナさんから一杯貰ったら様子を見に行きます。
グリン(ゾンビ)
なら僕も下ごしらえしとこ〜と!行くわよネム!
2人は食堂に行き車掌とカーナはバーで飲み自分は気になったので追いかけることにした。
主人公
ここにいるのか?入るぞ?
ドアを開けるとフィルムで映像が映し出されていて写真家が眺めていたが自分が入ったことで焦っていた。
写真家(魂の亡霊)
なっなぜここに!行けません!早く出てください!
主人公
どうしてダメなんだ?
写真家(魂の亡霊)
見ていいのは管理を任された私と車掌様と地獄を任されている閻魔様とマジシャン様だけです!
主人公
それでもなぜ…
堕天使(厄災者)
教えてあげる。それはね死者に記憶を見せると混乱してしまうからさ!
写真家(魂の亡霊)
なっ!お前は何故ここに!早く降りてください!
突然現れた堕天使は嘲笑うかのように言うとコピーが終わったフィルムを出して見せつけた。
堕天使(厄災者)
うるさいな〜これで最後のコピーが終わったよ〜!そうだ!主人公にいいものを見せてあげるよ〜これな〜んだ?
写真家(魂の亡霊)
それは【主人公様】のフィルム!
主人公
自分のフィルムが…
写真家(魂の亡霊)
行けません!見ては!それに正しい向きで入れないと!
写真家が止めようとするが堕天使は聞かず【裏面】で再生した。
堕天使(厄災者)
見せてあげるよ〜君のフィルムを!そして君の前世の真実を…
主人公
前世の真実…なっ!これが……自分なのか……
堕天使(厄災者)
すごいよね〜でも面白のはここからだよ〜見てこれ!これが君の死んだ真実だ!
主人公
……そうか…そういう事だったのか…全て…嘘だったんだ…
写真家(魂の亡霊)
いい加減にしなさい!早くフィルムを!
堕天使(厄災者)
まだ終わってないよ〜
堕天使は主人公の耳元で囁いた。
堕天使(厄災者)
見てて…これが君を殺した犯人さ!
主人公
犯人…えっ!嘘……そんな…そうだったんだ…
主人公が全てを見終わった時列車が動き出していた。
カーナ(サキュバス)
あら?動き出したわ?
グリン(ゾンビ)
なんて動いたんだろう?
ネム(夢喰い)
…。
車掌
何か…嫌な予感がします。それに外が暗いですね。写真家も遅いし…そういえば主人公を見てませんか?
カーナ(サキュバス)
見てないけど?
車掌
もしかして…まさか!主人公!
車掌は焦って自分の車掌室にいる写真家元へと行くとフィルムが回され【END】の文字。

そばにはこちらを嘲笑う堕天使と青ざめている写真家と顔を提げている主人公がいた。

堕天使が気になるがとにかく主人公の元へと駆け寄ろうとしたが主人公に突き飛ばされた。
車掌
どうしたのですか?主人公?
主人公
嘘つき…
車掌
えっ?
主人公
あなただったんだ!全てあなたが仕組んだことだったなんて!
車掌
何を言ってるんですか!仕組む?私が…何を言って…
主人公
殺した…貴方が私を殺した!そうでしょ…車掌!
驚いている私に追い打ちをかけるようにフィルムが動き出し主人公を突き落とした人物が振り返りそこに立っていたのは私だった。

そして列車が止まった。

「え〜次は〜【きさらぎ】〜【きさらぎ】〜列車が止まりま〜す。」

とアナウンスが頭の中に鳴り響いた。

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次の日話で主人公死と車掌の関係…そしてこの列車の秘密が分かります。

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