うう…ん。あれ?私は…
きさらぎ…よかった。
だって…フジニアが助けに来てくれたから。
きさらぎ…こめん。俺…お前に嘘をついた。お前の知らない所で人を殺したんだ。お前の親を…だから俺の事を嫌いになってくれていい。忘れてくれていい…だから俺とお前はもうこれ以上…
きさらぎが泣いて俺に抱きついてきた。俺は抱きしめたがどうすればいいのかわからなかった。
ごめん…ごめんね…フジニア。私も嘘をついた。ここに来るねって言ったのに…フジニアが何となく私に隠していることは気づいてたよ。でも…それでもフジニアは私の友達だよ。ずっと一緒に居たい!お母さんを殺されたのは悲しい…けどでも私フジニアよりもひどいと思う。
そうな事ない!だってきさらぎは!
親が死んでホッとしてるんだもん。ずっと怖かった…暴力を振るわれて…本当はこの森に来た時私は悪魔に…フジニアに殺されるためにここに連れてこられたの。
どういうことだ?
お母さんは私を殺したら罪に問われる。だから…フジニアが私を殺せば罪に問われないから…私をあの森に置いていったの。だからあの時怖くわなかったけど殺されるんじゃないかって少し思ってたの。でも…フジニアと過ごしてそんな気持ちなくなってお母さんは死なない私を売り飛ばして殺そうとしたの。
それを俺が助けたのか?
ごめんなさい…私があなたを利用する形になってしまった。でも…あなたとずっと一緒に居たい!友達になりたいという気持ちは嘘なんかじゃない。だから…私を嫌いになったなら私を…殺していいよ。
そんなことするわけないだろ。どんな事があっても俺たちはずっと一緒だ。どんな時も…何があったって…
うん…うん。
俺たちはそう誓い合った。
大変です!フジニアさん!きさらぎさんを連れて早くここから逃げてください!
何がどうしたんだよ!
あなたたちのことがバレたんです!早くここから逃げてください!でないとなあなたは処罰されるだけでなく悪魔と関わったとしてきさらぎさんが処罰されます。最悪殺されます!
そんな!なら急がないと!
私が時間を稼ぎます!だから逃げてください!
そんなことをしたら…
私も処罰されるでしょう?大方首が飛ぶ…
なら!お前も一緒に!
できません。私は管理人です。あなたと共に行けば悪魔が誑かしたとしてあなたの罪が重くなるのです。行ってください。この仕事をする上で覚悟は出来ています。私は職務よりもあなたがたを選んだ。たったそれだけの事ですよ。もしも仕事を首にされたらあなたの言うマジシャンにでもなりますかね?
似合わねえ〜…ありがとう。
フジニア達が森から姿を消し見送った管理人はきさらぎが置いていったクッキーを食べた。
やはり美味しい。この味がもう食べれなくなると寂しくなりますね…あなたもそう思うでしょう?
動くな。管理人!悪魔を逃がし協力した罪や職務を放棄し反逆した罪に問われている。共に来てもらう。
わかりました。行きましょう。
管理人は大人しく連れていかれた。
私ができるのはここまでです。せめてあなたたちふたりの未来に光が指すことを祈っています。
なぜだ!なぜお前はこんなことを!今まで何もこんな不祥事を起こすことは無かったのに!
全ては私の責任です。
なぜそのようなことをした!お前はわかっているはずだ!畏敬と人を取ればどうなるのか!
それでも私はあの二人を見て信じてみたくなったのです。少しの可能性を…こんな頼りない部下ですみません。処罰は喜んでお受け致します。
ならお前に任せる。天使…
かしこまりました。
執行人の天使を…待ってください!彼らは…
安心してよ。僕は確かに執行人だけど殺して捌いたりしないからそれに彼とは仲がいいからね。
そう言って天使は飛び去った。
罪を犯した者を代行人が見定めたあとの役割を担うもの。天使に任される多くは死罪である。
無事でいてくださいね…2人とも。
管理人の罪に関しては考えるため保留とする。判断が下されるまで幽閉する。
管理人が幽閉された時フジニアはきさらぎを連れ孤児院にやってきた。
きさらぎいいか?大きくなるまでここで過ごせ。管理人が手配してくれた。一人の時は姿を見せるがそれ以外はお前の陰に隠れてお前を守る。だからお前も俺のことは秘密だ。
わかった。約束ね!
あら?女の子が倒れてる。早く運ばないと!
こうして管理人とフジニア力できさらぎはこの孤児院で過ごし大きくなった。そして里親が見つかりきさらぎは里親の元へ過ごすことになった。
今日からここがあなたの家よ。よろしくね!
きさらぎ。
よろしくお願いします。
初めてのことで緊張したがきさらぎは学校に行き初めて友達が出来たりと充実していた毎日を送っていたのだが…それは突然崩れ始める。
じゃあ!行ってきまーす!
行ってらっしゃい!
行こう!フジニア!
おう!
その様子を見られてしまった。
ふふふふふふ…み〜つけた!
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