第51話

最終章 最後の終着駅
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2021/03/10 04:46
きさらぎが居なくなった森は何故か寂しく感じた。今まではずっと独りだったのに…
森に住むものたち(小悪魔)
おい?悪魔…
悪魔(フジニア)
なんだよ?急に話しかけてきて?
森に住むものたち(小悪魔)
お前最近あの人間と仲良くしてるのか?
悪魔(フジニア)
あの人間?きさらぎのことか?
森に住むものたち(小悪魔)
悪いことは言わない。私たちと人間が仲良くなどなれぬのだぞ?
悪魔(フジニア)
わかってる…そのくらい…これは暇潰しだ。つまらぬくなったらお前らにやるよ。
森に住むものたち(小悪魔)
要らぬ…あれは怪我を知らぬ子供ゆえ…醜い人間の魂の方が美味いのでな…
悪魔(フジニア)
そうかい…ならいいけどさ!
森に住むものたち(小悪魔)
ほれこれをやる。
悪魔(フジニア)
これは魂?
森に住むものたち(小悪魔)
最近人の子のものしか食わぬだろう?それで腹が満たされぬ。このままでは人の子を食ってしまうぞ?
悪魔(フジニア)
分かったよ…食いたいのか食いたくないのかよくわかんねえな…
森に住むものたち(小悪魔)
悪魔よ…
悪魔(フジニア)
来たか…醜い人間が…持ち場に戻る。それから俺はフジニアだ…これからそう呼べ。
悪魔のフジニアはそう言うと人間の元へと向かいその姿を見て森に住むもの達は思った。
森に住むものたち(小悪魔)
案外その名前気に入ってるのではないか…
森中に人の叫び声が聞こえる。
男
やめてくれ!来るな!
悪魔(フジニア)
なぜ逃げる?お前たちはこの森に入っただろ?この森は人が立ち入っていいものでは無い。なのにお前たちは立ち入った…それが理由だ!
悪魔のフジニアは近づき醜い化け物の姿になって襲いかかった。
男
ぎゃあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙
人間達の醜い悲鳴と血飛沫が森中に響いた。返り血を浴びた悪魔のフジニアは人間だったものを森の化け物に渡した。
森に住むものたち(小悪魔)
済まないな…それよりもお前は食べんのか?
悪魔(フジニア)
腹減ってなくてな。
森に住むものたち(小悪魔)
あの人の子のやつが好きなのか。
悪魔(フジニア)
うるせえ~
森に住むものたち(小悪魔)
悪いことは言わない…人と我ら…畏敬のもの達が手を取り仲良くすることなど出来ぬ…
悪魔(フジニア)
なぜそう思うんだよ?
森に住むものたち(小悪魔)
それが古くからのしきたりだしお前の為だ。
悪魔(フジニア)
そんなしきたり気にしなきゃいいだろ?
森に住むものたち(小悪魔)
そんな事を言って…どこへ行く?
悪魔(フジニア)
帰るんだよ。寝床に…そうしたらまたあいつに…きさらぎに会わなきゃ行けないからな。
そう言って手を振り去っていくフジニアを見て森に住むものたちは小さく呟いた。それは誰にも聞かれることは無かったが…
森に住むものたち(小悪魔)
それはお前のためでもあるんだぞ…フジニア。これは決して許されてはいないし…お前はこのまま行けば後悔することになるぞ。
それが…現実になり後悔することになるとは誰にも分からなかった。
そのまた次の日も次の日も悪魔のフジニアはきさらぎと過ごしていた。

悪魔と人の子という奇妙な関係は続いてきさらぎは大きくなり6歳になった。
きさらぎ(人間)
フジニア!おはよう~また来たよ!
悪魔(フジニア)
今日はなんのやつだ?
森に住むものたち(小悪魔)
お前はそればっかりだな…
悪魔(フジニア)
うるさい!お前だって食べてるじゃないか!
きさらぎ(人間)
喧嘩しないでよ。
きさらぎとの出会いから2年経った。フジニアが森に向かって話していてきさらぎが不思議がりフジニアの元仲良くなり今では共に遊んでいる。

きさらぎと過ごし夜になると人を狩るそれが日課になっていた。

その日常が変わったのはある畏敬がこの森にやってきたことから始まった。
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管理人side
管理人
分かりました…その森に行ってみます。
畏敬達のことを陰で管理している管理人の畏敬は森に行くように指示をされた。

人の子が畏敬と仲良くしているなんてことあるはずがない…そう思っていたのに…あろう事か…仲良くしてる。
管理人
なんで…人の子と悪魔が仲良く話してるんだ。
管理人は有り得ないことに驚いていた。悪魔は自分に気づくと声をかけてきた。
悪魔(フジニア)
お前誰だ?
それが彼と…悪魔と…車掌の出会いになるとは思ってもいなかった。

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