第52話

最終章 最後の終着駅
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2021/05/28 07:17
そいつと管理人の出会った第一印象は堅物で笑わないつまらない奴だと思った。
悪魔(フジニア)
お前眼鏡かけてるし笑わないな…ならこれでよし!見てみろ~これ面白いだろ?
きさらぎ(人間)
本当だ!面白い~!
森に住むものたち(小悪魔)
ふふふふ…メガネとアフロが面白いの~!
管理人
って!私はこんなことをするために来たんじゃありません!
顔に落書きをされてパーティー用のメガネと赤いアフロは堅物の彼には少し滑稽である。
悪魔(フジニア)
堅物で笑わないならお前マジシャンになれよ〜!そうすればこんな顔もこうやって口元が緩んで笑うぞ〜
フジニアは管理人の頬をいじって笑わせようとして管理人はイラつき怒鳴った。
管理人
いい加減にしてください!私は笑いませんし、それに!笑うと無駄に筋肉を使って疲れるんですよ!
悪魔(フジニア)
お前ら…人生つまんなそうだよな…
管理人
うるさいです。大体…なんで畏敬であるあなたと人間の彼女が共にいるのですか!畏敬である我々と人では関わってはいけないとあれほど…やめなさい!
手を合わせて管理人に向かってドヤ顔を決めるフジニアと嬉し顔のきさらぎにツッコミを入れる姿を見て森に住むもの達はため息をついた。
管理人
とにかく規定違反ですからね!報告は…
悪魔(フジニア)
報告するのか?
管理人
えっ?
悪魔(フジニア)
報告すればこいつはどうなるんだ…それに俺は今が1番楽しい。それじゃダメか?
管理人
しかし…えっ?どうしたのですか?
きさらぎが管理人の側までやってきて何かを渡した。
管理人
これは?クッキーですか?
きさらぎ(人間)
そうなの!甘くて美味しいよ!食べて!
管理人
わかりましたよ…こっこの味は!
悪魔(フジニア)
上手いだろ?もし報告すればこの味食べれなくなるな〜
管理人
うぐっ!しかし…
悪魔(フジニア)
クッキーはまだまだあるし〜お前の好みの味が見つかるかもしれないし〜きさらぎに頼めばまた作ってくれるかもしれないし〜
きさらぎ(人間)
まだあるから食べてね!
管理人
くくく〜〜〜!仕方ないですね!食べ物は粗末にしてはいけませんし次は無いですからね!
そう言ってきさらぎからクッキーを貰い管理人は気に入った。
管理人
私としては報告すべきですがまあいいでしょう…クッキーに免じて許して見逃してあげます。それではまだ私は仕事がありますのでこれで失礼します。そうだ…きさらぎさん。クッキーご馳走様でした。あなたのクッキー美味しいのでまた食べさせてくださいね。
そう言い残して消えてしまった。
悪魔(フジニア)
なんだアイツやっぱりクッキー気に入ったのか…また来たりしてな〜
森に住むものたち(小悪魔)
有り得ることだ…
きさらぎ(人間)
それもそうだね!まだあるから食べて食べて!
やはり二度あることは三度あるのか次の日の朝になると管理人はやってきた。
管理人
おはようございます…今日もまた監視しますがその前にきさらぎさん…クッキーをお願いします。
悪魔(フジニア)
やっぱりお前気に入ったんじゃねえか!
管理人
気に入ったんたのでは無いです。好きなだけです。
森に住むものたち(小悪魔)
それは気に入ったんたと同じである気がするが…
きさらぎ(人間)
まあ食べて!クッキー沢山作ってきてるから!
きさらぎはそう言ってフジニア達にクッキーを渡した。管理人が来てクッキーを食べてたわいもない話をして過ごす。それが当たり前になっていた。

しかし…その日常も終わりを告げた。
それは突然おきた…きさらぎが森に来なかったからだ。そして運命の歯車が動き出す…

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