side あなた
カーテンの隙間から覗く淡い陽の光で、私は目を覚ました
起き上がってみると、体の節々が痛くて何故か私は服を着ていなかった
部屋を見渡したが、等のリドルさんは見当たらず、椅子の上に丁寧に畳まれた私の服が置いてあった
その時、ガチャリと部屋の扉が開いた音がした。思わず、そこらにあったタオルケットを手繰り寄せた
部屋の中に入ってきたのは、ケイトさんとトレイさんで、2人とも朝から賑やかだ
私は、未だ体がダルい理由が分からないが、これは聞かない方が懸命なのだろうか…
私がそう質問すると、2人は目を開けて固まってしまった。やっぱり、この質問はタブーなのかもしれない
トレイさんは肩をすくめて見せた。ケイトさんは、呆れ顔だ。
知りたいんだけどな、本当に思い出せない。
2人は、私のための着替えを持ってきてくれたみたいで綺麗な洋服を渡してくれた。
トレイさんは、私の頭を優しくなでた。
頭をなでられる事がくすぐったくて少し肩をすくめた。
頭をなでていた手が頬の方へ降りてきて、顎を持ち上げられた。
目の前にトレイさんの顔があって驚いている間に、唇に触れるぐらいのキスをされた。
ガバッとケイトさんが私に抱きついて来た。
トレイさんから守るような仕草だ。
ケイトさんが、私の頭の後ろに手を回して引き寄せられた。
チュッとリップ音をさせて唇に柔らかいものが触れた感触。
2人は、ご機嫌そうに部屋を出て行ってしまった。
私は1人ベッドの上で熱くなった顔に手を当てていた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。