第9話

1章 〜気取って一礼〜
836
2021/05/22 07:28
『ま、待って下さい!そんなには…!』

「何をお言いだい。ここから、端まで全て頼むよ」

「ヒュー♪ リドルくん太っ腹!」



──────────
───────
────



『わぁぁ!!』


私の目の前にたくさんの可愛らしい洋服が並んでいた

奴隷の私はいつも、布切れ1枚みたいな服しか着ていなかった

こんなに綺麗な洋服は着たことがない

ドクドクと心臓が音を立てて、顔に熱があつまった


「予約をしていた、ローズハートだよ」

「お待ちしておりました。ローズハート様、あちらに個室を用意してあります」

「ありがとう。早速ですまないが、赤、白、黒を基調とした服をこの子に…」

「かしこまりました」


定員さんと何やら話をしているリドルさん

私は、素敵な洋服に目移りをしながら奥の個室へと手を引かれて行った


「ボクには、洋服は分からないからね。ケイト、頼むよ」

「りょーかい!最高に可愛いの選んじゃうよ!」

『あ、あの…私はこんなにいい物は貰えません』

「も〜、そんな事言わないの!あ、これ試着してみよっか!」

『え、ちょっと…待っ』


ケイトさんが選んだのは、白のフリルに、赤のリボンが映える綺麗なワンピース

私がワタワタしていると、お店の方が着替えさせてくれた


『(ま、まるでお姫様になったみたい…。ドキドキする)』

「とても、お似合いですよ。お客様」


鏡を見ると、そこには綺麗に着飾れた私がいた

とかされた髪は可愛く結われていて、顔には薄く化粧が施されている

少し高い真っ赤な靴を履くと、歩く度にコツコツと音を立てる


『(信じられない。私もこんなに可愛くなれたんだ…)』


ドキドキ、ワクワク、こんなに胸が高鳴ったのはいつぶり?

私は、心のままに鏡の前で一回転をしてみた

スカートの端を摘んで、気取って一礼


「「 ふふっ/くくっ 」」

『えっ…!?(見られてしまった恥ずかしい!)』


声がする方を見ると、2人がお腹を押さえて笑っていた

私は、羞恥に顔を赤くさせた


「素敵だよ、あなたアリス。まるで1輪の薔薇だね」

「うんうん!俺の見立ては間違ってなかったね。あなたちゃんは笑っている方がカワイイよ!」

『あ、ありがとう…ございます』

「さて、気に入って貰ったし。ここから端まで全て頼むよ。小物を合うものを選んでおくれ」

『えぇ!?』

「ヒュー♪ リドルくん太っ腹!」


リドルさんは大量の洋服と小物を購入した


『(これ、大丈夫なのかな…)』


私は冷や汗をかきながら、お店を後にした





Now Loading…✧︎





この小説は、基本、土曜日に更新する予定です(多分)

Instagramを連携させて見ました!もし、興味があるならタップしてみて下さい(*´˘`*)♡ DMも大歓迎です!




プリ小説オーディオドラマ