第3話

0章 〜彼女の価値〜
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2021/04/30 13:26
「1億マドル」

「1億!!!1億マドルが出ました!他にいませんか?……では、1億マドルで落札です!」

「あっはっはっ!この程度でいいなんて随分と安いんだな!なぁ、ジャミル?」

「まぁ、カリム。黙っておけ」


二人の男は口の端を釣り上げくつくつと笑みを零した

豪華絢爛な装飾と服は熱砂の国を思い出させる


「えぇ、本当に安い…。この金額で彼女の価値を測ろうなど、まさに愚の骨頂です!」

「あはっ♡、でもぉ…払う気ないんでしょ?」

「おやおや、そうなのですかアズール」


奥の席から出てきたのは3人の男も、これまた楽しそうに笑い合っている


「おっ!3人も来たんだな!」

「えぇ、カリムさん。落札、ありがとうございます」

「あっはっはっ!まぁ、作戦だからな!」

「おい、カリム。あまり大声で言うな!?」

「おっと、悪い悪い!」


いい買い物をしたと全員が笑みを浮かべて、商品を受け取るために動き出した



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「はぁ、アズールは一体何を考えているんだい。こんなの効率が悪いじゃないか!」

「そうカッカするじゃねぇ。赤毛の坊ちゃんよ」

「あら、アタシはいい前座だと思うわ。サファイヤの瞳ですってよ、楽しみね」

「ど、同時にこの闇オークションを潰す気なんでしょ。アズール氏は…」


オークションが行われている舞台と客席の一つ上のギャラリー

そこでは3人の男とふわふわと浮くタブレットが会話を繰り広げていた


「にしても、趣味の悪ぃ所だな」

「えぇ、本当に。高級ホテルの地下が闇オークションの会場なんて」

「……おや、もうそろそろ時間のようだ。」

「アズール氏からも撤収の連絡が入ってるでござる」


4人は己の服を翻し、ギャラリーを後にした

それぞれがこれから会うあの少女へと思いを馳せながら、ニヤリと笑った













「あら、そう言えばマレウスは?」



「「「 あっ 」」」







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