第3話

叫び
 『死にたい』

『苦しい』

『誰もわかってくれない』

そんな悲痛な叫びがSNS上でゴロゴロ転がっている。私はそれを一瞥してから、いいねやコメントもせずにホーム画面に戻る。

率直に言うと羨ましかった。そして妬ましい。

言いたいことがきちんと言えて。どうして死にたいのか理由も明確で。時には優しい言葉を投げかけてくれる人もいる。

苦しい、とも思う。辛いなんて感情が消えたことは無い。

だけど誰にも言えなかった。

今までの一連の流れを言葉にしたり思い起こすことが億劫だった。胸の奥から引っ張り出せたとしても、それを否定されてしまったら。

真っ向から「あなたは間違っている」なんて言われてしまったら私はもう人前に出れなくなってしまうと思う。

俗に言う「病む」じゃない。一言で済ませられるほど、単調な心理状況ではないが、私は上手くそれらを形に出来ない。

あの頃の私は、不平不満は口に出していた。吐き出すことで気持ちを整理して、共感してもらうことで自己肯定が出来た。


でもあの子は、それをよしとしなかった。