第4話

あの子と私
いつも通り机を向かい合わせにくっつけてお弁当を食べていた。購買へ走る足音が廊下からよく響いていている。早弁組は授業終了チャイムと同時に校庭へ向かっていた。午前の授業を終えた開放感から、教室はとても騒がしい。

「·····で?」

ピックに刺さったミートボールを乱暴に口に突っ込みながら彼女はこちらに目をやる。

「で、ってどういうこと·····?」

上手く解凍されていないパサついた白米が喉にからみ、それを誤魔化すように私は水を煽った。

「だからその話を私にしてどうなるの?」

「··········」

予想外の返答に私は口をつぐむ。

「家に居場所がなくて辛い、って言われても、私はどうすることも出来ないんだけど。」

同じクラスになって1年半。彼女を信頼した上で打ち明けた話だった。

「そう·····だよね。あはは、なんかごめんね。重い話しちゃって·····!!」

「そんなに家が嫌ならさ、縁を切ればいいんだよ。」

その言葉を聞いて、確信した。この子は私の話を何も聞いてくれなかったということを知った。

『縁を切る』ことが高校生にとってどんなに難しいことか、17歳の脳みそなら想像に難くないだろうに。

悔しかった。1番の仲良しだったあの子なら、上辺だけでも味方になってくれると思っていた。