第8話

ありがとう RYO
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2019/05/09 21:12
私にはとても素敵な彼氏がいる。
それは今、少し遠いところで真剣に踊ってる彼なのだけれど。
女)ねぇ、あなたちゃん...
これりょーくんに渡してくれないかな?
渡してくれるだけでいいの!
あなた

あ、うん、渡しとくね

女)ほんとに?ありがとう〜!
りょーくんはかっこいいから、私という彼女がいると分かっていても、彼のことを好きな子はたくさんいて。
私だってその気持ちは痛いほど分かるのだ。
だから、どうしても断れない。
そんな気持ちになれるのは誰でもない彼だけなのだから。
RYO
RYO
あなた〜!
りょーくんは一段落着いたのか、私のところに満面の笑みで走ってきてくれる。愛しい。
あなた

お疲れ様、りょーくんあのね、
さっき女の子から預かったんだけど、はい。

私は彼のために一生懸命作ったんだろうな〜と感じさせる可愛らしい紙袋を渡す。
毎回少しだけチクッと胸が痛むのはどうにかならないかな。
RYO
RYO
...ん、ありがとう!
りょーくんが私の手から紙袋を受け取る。
出来れば渡したくないのになと思ってしまう。
RYO
RYO
あなた、ちょっと来て?
あなた

へ?

私の手を取ったりょーくんは思い切り走る
何!?私万年文化部だから運動神経のいいりょーくんについていけないよ!?
RYO
RYO
そこの子!差し入れありがとね!
女)え、りょーくん、あ、全然です!
RYO
RYO
でも、俺、あなたに差し入れもらったことなくてさ、できればこの子に貰いたいんだよね
彼の言葉を聞きながらうれしくて涙が出そうになる。
そして、あげたことなかったな〜とも思った。
RYO
RYO
だから、これからはあんまり受け取れないかもしれない!ごめん!
もしかして、この人はこれを言うために私を連れてきたのだろうか。
RYO
RYO
あなたは優しさすぎるから断るってこと覚えんといけんよ?
そう言ってりょーくんは振り向き手を差し伸べてくれる。
いつだって、何度だって差し伸べてくれる、放っておけない性格なのです。
あなた

ありがと......

そしてまた、嬉しそうに私の大好きな笑顔を浮かべてくれる。
やっぱり、りょーくんの方が優しすぎるよ。

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