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2021/07/04

第41話

誰の仕業?
 予想はしていたが、私たちのことを信じられない人は多く、なかなか全員の避難が完了しない。建物の状態は維持できる。時間はかかるが、きちんと説得してここから避難して貰えば、何も問題ない……はずだった。

 私は、気が付いてしまったのだ。この場所に残された、痕跡に。
 涼には話さないほうがいいだろうか。もしも、もしも妖怪の仕業・・・・・だとバレてしまったら。いや、涼はきちんと現実を見れる人だ。私のことを軽蔑はしないだろう。でも、きっと戸惑い、悲しむだろう。
 それなら、もういっそなこと話さずに、私だけで解決を図ってみるのをありね。
あなた

(ていうか、それ以外に方法ないしっ)

松下 花香
松下 花香
さ、くら……
あなた

花香っ。

花島 涼
花島 涼
松下さんっ。大丈夫。
松下 花香
松下 花香
大丈夫。走ったからちょっと疲れた、だけよ……。それよりも、さくら。ちょっと。
 花香が近くに来るように促す。何か重要な話があるのだろう。まあ、内容は分かっているが。
 口元を隠しながら、花香が私の耳に顔を近づける。
松下 花香
松下 花香
今回の、妖怪の仕業だったわ。もう知ってると思うけど。
あなた

ええ、知ってるわ。
妖力の痕跡が残っているもの。

あなた

(しかも、困ったことに、感じたことのない、全く知らない妖力がねっ)

松下 花香
松下 花香
……今、お母さんが上で交戦中なの。急いで来てくれない。
あなた

なっ。それ、ほんと。すぐに行かなくちゃ。

あなた

涼。
私、花香とちょっと行ってくるわ。
術は発動させたままにしておくから、ここ、お願いねっ。

 何事だと私達を止める涼の声を無視し、私達は上へと続く階段を駆け上がっていく。
あなた

じゃあ、私の気配を感じたから、応援を呼びに来たってこと。

松下 花香
松下 花香
う、ん。そう、よ。
 妖怪である私にはなんともないが、このスピードでの走りは人間の花香には応えるらしい。息を切らしながら、彼女は私に簡単な説明をしてくれた。
あなた

(結界が見えて来た……。あれねっ。しかもあれ、花香のお母さんの術じゃないわね。妖怪の使う物だわ。きっと、入ったら出られない……)

あなた

花香っ。花香はここにいて。あれ、多分入ったら出られないわ。

松下 花香
松下 花香
馬鹿言わないで。私の、お母さん、よ。私も行くわ。
あなた

……了解。

 人間とは、なんで強く美しい生き物なのだろう。醜い面も持ち合わせてはいるが、それでも私は人間が好きだ。涼が好き。花香が好き。花香の家族が好き。だから。
あなた

許さないわ。

絶対に守る。例え、涼の元に帰れなくなったとしても……。