Taehyung side
あの日から一週間経った
あの後考えていた。
ユラが通話していたのは、ジミンに間違いなかった
ユラがスマホを耳に当てる隙間からジミンの家督のアイコンが見えたから。
あの日何を話していたのか、
ジミンはユラに気がある。だとしたら、俺の失態もバラしているはずだ
ジミンはそういう男だ。
表向きは誰にでも優しくいつもにこにこしている。
でも恋愛のことになると、一歩も譲らない。手に入れるためなら何でもする。
自分の彼女の連絡先なんて他の男なんかに渡したくない
それは誰でもそうだろう。
でもジミンは何度断っても諦めなかった
ある時ジミンが言った
いつものように、”テヒョン、連絡先教えてよ~”と仕事中にもかかわらずすれ違い際に言ってくる
だから、嫌だって言ってんだろ。と返すと
”本気じゃないくせに ” ”ふらついてるテヒョンなんかより僕が幸せにするから ”
そう言われ、俺は目を覚ました
俺は、もうユラを愛する資格がないと。
ジミンも遊び人ではあるけど今回は本気なようだった。
だから俺はユラの連絡先を渡した
でもこれが間違いだったんだな
あんなことになるとは思わなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!