”… きて、ねえ
” はや、く…
脳裏に響く誰かの声
” グッ それに首が、苦しい
苦しさで目を覚まし、目を開けると
私の首を絞めているジミンさんがいたんだ
やっとジミンさんの手が離れると、今度は頬に手を添えられてじっくりと見詰めてきた
ヒョンって、お兄さんが?
何でこんなことするの?
見たこともないベッドに私は寝転がっている
見たこともない机に椅子、ソファ、クローゼット...
全く知らない部屋だ。
そうだ、私はジミンさんに会った瞬間倒れたんだ
誰かに薬を飲まされたというか、吸わされた?
まさか、あのジミンさんが?
でも、さっき目を覚ました時ジミンさんに首を絞められていた
だとしたら、そういうことをしかねない
ジミンさんは余裕のある笑みを浮かべて、
と、部屋を見渡しながら答えた
スマホを置いてきてしまったのはデカい。
今日はテヒョンに話す予定だったのに。テヒョンは今どうしているんだろう。
テヒョンに会わせる顔がない
だってジミンさんの家にいたらこれこそ浮気と疑われてしまう
人のことなんて言ってられないじゃない
変わらぬ笑顔でそう言うジミンさんは何かを企んでいるようにも見えた
どうしてそんな余裕そうなんだろうと思って少し怖くなったけど、私には自信があった。
ここから出られるのなら、今はテヒョンに助けてもらうしかないんだ
この先何があるか分からない、だからこのチャンスは逃したくない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。