第2話

#1
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2024/02/19 15:39
夕飯の支度をしていたら司の部屋から何が割れるような音がした
何かインテリアでも落としてしまったのだろうか
だとしても陶器やガラスだったら危ない
司の事だから自分で片付けようとして破片が刺さる、なんて事もあり得る
火を止めて司の部屋を覗いてみることにした
テンママ
司ー?
(オレがやったのか?)
(違う、オレにはこんな力なんてない)
(違うんだ.....!!!)
テンママ
司?入るよ?
司からの返事がない
入ってきて欲しくないのだろうか
だとしても何か壊して刺し傷じゃ済まないことになっていたら大変だ
テンママ
入るからね
結局、母親の権限を使って入ることにした
入ってすぐ目に飛び込んできたのは真ん中だけ粉々に割れてしまった鏡
テンママ
やっぱり割っちゃったんだね
テンママ
大丈夫?怪我はなかった?
返事はない
テンママ
倒れてきちゃったのかな....
....かぁ、さん
と鏡の様子を見てると司が漸く口を開いた
テンママ
なぁに?どうした.....の
顔を上げた司は涙でぐしゃぐしゃだった
テンママ
?!
こんな息子の姿などもう10年近く見ていなかった
テンママ
つ、司?!どうしたの?!
泣いてる理由がイマイチ掴めなくて焦りながら聞いてみた
鏡、オレが割っちゃった....
みたい....
テンママ
....みたい?
ごめ、んなさ.....
テンママ
泣かないでいいよ....私は別に怒ってないから....ね?
テンママ
ほら、右手怪我してるじゃない....
テンママ
鏡はお母さんが片付けておくから、手当てしてきなさい
.....ぅん






鏡を片付けながら思った
あの子は鏡を割ったぐらいで泣くような子じゃない
もっと別の理由で泣いているのではないか、と
でも表向きの理由で答えるってことは真の理由はまだ言いたくないのかな
あの子がちゃんと話してくれるようになるまで待つしかないか
多分、私じゃあの子を完璧に助けることはできないから

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