第5話

逃げ
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2018/03/11 23:43
**.°**.°**.理央**.°**.°**.°



翌日の朝。
早めに家を出たつもりだったがすでに彼女はそこに立っていた。
果実
遅いよ!理央君!
理央
君が早すぎるんじゃないか。まだ集合予定時間まで10分もあるよ。
果実
はいはい!言い訳はいいから、行くよ!
理央
君ってホントに人の話を聞かないね
そんな言い合いをしながら、着いたのは小洒落たパスタ専門店。小洒落た店が好きなんだね。なんて思いながら若い女性客が多くて俺は少し躊躇していた。
果実
躊躇してるの?
理央
だってここは明らかに……
果実
カップルで来てる人もいるよ。私達一応カップルに見えなくもないでしょ?
理央
一応って……君は何気にひどいね……
渋々イスに座り、ある程度注文した。
理央
そういえば……なんで君は皆に病気の事を隠してるの?
果実
………皆にさ…気を使われるの嫌なんだよね。
理央
例えば?
果実
心臓病だから走っちゃいけないよね…体育は休んでていいよ!………みたいな
理央
なんで嫌なの?体育サボれるならラッキーだと思うけど……
果実
だから昨日理央君保健室向かってたのか
理央
そうだよ。運動は苦手だ
果実
私は運動大好きだから…逆にやりたいんだよね。
理央
でも心臓病なら…走ったら倒れるんじゃ……
果実
倒れないように計算してるから大丈夫!
理央
ふうん……でも…それってただの『逃げ』な気もするけど……
果実
えっ………?

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