月曜日
学校へ行くと何事もなかったかのように、彼女は話しかけてこなかった。やっぱり怒っているのか、彼女は楽しそうに友達と話している。今まで気にする事なんてなかったのに、たった1日とちょっとでこんなに変わるものだろうか……
放課後
誰もいない教室で俺は黙々と日誌を書いていた。部活動で走り込みをしているときの掛け声が3階にある俺の教室まで聞こえてくる。
後ろからかけられた声になぜか懐かしさを感じた。少しの間しか一緒にいなかったのに、その声を聞くだけで誰だか分かった
いつもより冷たい態度をとってしまう。でもなぜか分からない。この気持ちの正体は……一体なんだ……?
あぁ……そういう事だったんだ……彼女はあの事で怒っていたわけではなかった。彼女は……俺を気遣ってくれていたんだ。最初はいい加減な人だとしか思っていなかったけどこんな気遣いが出来るのか………
そう思ったとき、俺の中で何かがトクンッと跳ねた気がした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。