あれから、5日がたって土曜日になったとき。私は集合場所についてソワソワしていた。すると不機嫌そうな顔をして理央君が歩いてきた
私は文句を言ってる理央君の話を聞かずにいそいそと電車に乗った
電車に乗ってお菓子を食べていると理央君が
「太るよ」とデリカシーのない事を言ってきた。理央君はたまにデリカシーのない事を言う
試しにそう言ってみた。理央君の反応が見たくて、理央君が今度こそ謝ると思って。なのに理央君は少し笑って
予想は呆気なく崩れてしまった……
電車からピョンッと出て思わずそう大きな声で言ってしまった
そう言って理央君は私の手を引いてった。
恥ずかしいからあの場にいたくなかったんだろうけど、理央君が私の手を引くなんて始めての事だ。
途中で手を離すのを忘れて理央君が振り返った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!