第30話

未来
264
2018/03/28 21:46
あれから…丸1年が経った。
私は心臓移植に成功して今もこのトクトクと動く理央君の心臓で生きている。
あのとき感じた死の予感は私が死ぬと感じたからじゃなかった。理央君が死ぬと感じていたんだ。私が背中を押されたと感じたのは気のせいではなかった。あれは…福井君が押したものだった。事情を警察から聞かれているときに全く反省の色を見せなかった為少年院におくられることとなった。
隼人
橋本さん行くで〜
遅いよ〜!果実ぃ…!
果実
ごめん!今行くね…!
隼人
今でも信じられねぇな……
私はあんまり接点なかったからなぁ…
隼人
お前墓参り来てるのにそういう事言うかー?
でも本心だも〜ん!
どうやら、この2人は付き合ってるらしい。どういう経緯かは知らないけど…
果実
ほらほら!墓参り来てまでケンカしなーい!
隼人
そやそや!いい気分で会うで〜
ってかアンタまたラブレターもらってたでしょ!?
隼人
今その話するか〜?
浮気なんてしたら承知しないからねっ!
果実
今ケンカするなって言ったばっかりなんだけど〜!
隼人
ほら、参拝したし帰るで〜!
ん?なんか違う…
隼人
何が…?
何かが……
そうやって楽しそうに喋ってる2人を見て私は思い返していた。

理央君…忘れないよ?あの日記の最後の言葉…ありがとう…そして…さようなら…

𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚
拝啓、橋本果実様。
君がこの日記を読んでいるとき…俺はこの世にいないんだろうね。なんとなく死ぬ予感はしていたよ。実を言うとこの日記を君に読まれるのだけは超絶恥ずかしいんだけどね。
とりあえず、俺のあのとき思っていた事とかを知ってほしいと思ってね。ドナーカード見てくれた?俺は君に生きててほしいから…君の命に俺の心臓を使ってほしい。
今までありがとう。
そして…えっとめちゃくちゃ照れくさいけど
俺は君が好きです。これからも頑張って生きてほしい。
𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 ゚𖥧 

プリ小説オーディオドラマ