火曜日。昨日の事がなかったように理央君は何も変わらず接してくれた。
理央君の態度も元に戻って幸せだと感じていた。でも……
ホームルームでそう先生が話したとき、一気に昨日の不安が戻ってきた。病気についての話を聞かさせると私が死ぬのだと実感してしまうのだと昨日の事で考えていた。
ホームルームが終わると理央君が話しかけてきた
そう言うとここが教室である事を忘れているのか私の手を引っ張って教室から連れ出した
教室がざわめいている声が聞こえたけどそれでも理央君は気にせず私の手を引っ張って屋上まで連れてきた。
そう言って涙を流すと何も言わずに優しく抱きしめてくれた。どうして理央君はこんなに優しくしてくれるの…?勘違いしちゃうじゃん……
そのまま1限目は屋上で2人で過ごしていた。教室に戻ると案の定騒がれたけど理央君は動じずに人混みを避けて席についていた。それがなんだか面白くて笑ってしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。