第9話

好きな子
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2018/03/13 01:06
果実
そういえば……理央君って好きな子とかいないの?
いかにも何も考えてなさそうな顔で彼女は聞いてきた。
理央
俺にいると思った?
果実
アハハ!そうだったね!ごめんごめん
……結構すぐ言われると……
傷つく……
果実
………もしかして傷ついてる?
理央
そんなあっさりと認められて傷つかない人なんていないよ
果実
それはあくまで君の意見だけどね。……好きな子が欲しいなら…私を好きになりなよ
突然何を言い出すのかと思った。どうして君を俺が好きにならなきゃいけないんだ
理央
俺が?君を?
果実
そうそう
理央
なんで?
果実
なんでって……
理央
君を好きになるのはなかなか困難だと思うよ
果実
え?そう?
理央
まず君は人の話を全然聞かないじゃないか
果実
あ〜………でもそれだけ?
理央
それに君は………
『君はもうじき死ぬじゃないか。そんな人を好きになっても辛いだけだね。』………そう言おうとしてやめた。さすがに俺だって言っていい事と悪い事があるのは分かる。なんて無責任な事を言おうとしたんだろう。俺は最低だ。彼女は彼女なりに生きようとしてる。それを邪魔する資格なんてないんだ。
果実
君は……何?
気のせいだろうか…少し声が震えている気がした
理央
いや…なんでもない……ごめん。今日は帰るよ
果実
え…?もう帰るの……?
理央
じゃあね
後ろから声をかけられていたけど、とにかく1人になりたくて聞こえてないフリをして帰った。

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