第2話

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2021/06/25 12:22


午前一時















街が暗闇に包まれる中








私はひとり、布団に包まる。








そっとスマホを手に取り








そっとアプリを開く。








画面をタップして








文字を打つ









『あ、あなた!来てくれたの!』










この声を聞くために








私は今日も








夜に沈む。








__出会いは1ヶ月前




彼氏と別れて4日経っていた。





哀しさが溢れる中





寂しさを埋めるために開いたアプリ





ツイキャス。





前々から使っていたが
元彼と付き合ってからは開いていなかった。





ふと目に止まったのが





凪 癒しカテ 閲覧3






キャス画は何かの漫画の男の子






入ってみれば、声が好きだった。






どこか安心するような爽やかな声。





「初見です」





気付けばコメントをしていて






『初見のあなたちゃん、いらっしゃい!』





もう私は





とっくに彼の





虜になっていた__









ひと枠やっても来ないからさ、
もう今日は来てくれないのかと思ってた


「待っててくれたの!」

待ち構えてたんだよ〜?



「なにそれかわいい」

かわいい…
そんなことないよ、笑



「あるの!」

「凪くんかわいい〜〜」


うう〜ん…
ありがとう笑







何気ない会話。








それでさえ心地よかった。








こうして私は








毎晩彼のもとに溶けていく。





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