第7話

pattern 3-ミステリアス
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2018/07/24 12:35
「可愛いね」

公園で待ち合わせして、開口一番そう言われた。

ぼっと自分の顔が沸騰する。

「……あ、ありがと」

「うん。すごい可愛い柄。浴衣センスあるね」

……ん?

あ、可愛いって浴衣のこと!?

勘違いに気付き、別の意味で顔がさらに熱くなる。その時、もう一度声が聞こえた。

「着てもらう子にあなたを選んだんだから」

…………?

私はしばらくその意味がわからなかったが、前の言葉と繋がってるのかな、と考えればパッと答えが脳内に浮かんだ。

「あ、センスあるねって、“浴衣の”じゃなくて『浴衣が』ってこと!?」

「?そうだよ」

当たり前のことを聞かれた時のような顔で首を傾げられる。

彼は、まず浴衣を褒めてくれ、浴衣が着用者に私を選んだことで、浴衣にセンスがあると言った。恐らく遠回しに私自身も褒めてくれただろう。

全てを理解した私は思わず苦笑した。

――浴衣が着る人を選ぶなんて、変わった発想。本当、不思議な人だなぁ。

じゃあ行こうか、と手を差し伸べてくれたこの人は、同い年の彼氏である幸人(ゆきと)くん。

AB型で、何を考えているかわからないミステリアスな人だ。

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