第10話

pattern 4-無邪気
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2018/07/26 05:58
「センパイセンパイ!次あれやりましょうよ!」

「はいはい、やろやろ」

私の手を引いて楽しそうな彼に、適当な返事をする。

彼は一個下の後輩で彼氏の凪くん。ついこの間、部活後に話があると言われて残ったら告白された。

私も気になっていたので、OKしたのだが――……。

「オレ金魚すくいとか久しぶりですー」

「そうなんだ」

……本当に彼の告白を受けてよかったのか、実は少し悩んでいる。

そもそも私のタイプは年上だった。彼のことは人としては好きだが、恋愛感情においてはあまり自信がない。

多分、原因は彼の方にある。

「おっ、おおお!やった!センパイ!見てください取れましたよ!」

「わ、すごいね!全然ポイ破れてないじゃん!」

「ふふふー、すごいでしょう。オレ金魚すくい名人にも勝ったことあるんですよ!」

少し得意げに、嬉しそうに話す凪くん。

私に弟はいないけど、本当に、弟にしか見えないのだ。

可愛いが、彼氏と思えていないような気がする。

そんなのを考えてるってことは、もちろん本人には内緒だけど。

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