第13話

軽率タクティクス
699
2023/08/13 13:19
グリムを追って、大食堂に来た私たち。
エース
くっそー!ちょろちょろしやがって!!
グリム
へっへへへ!捕まえられるもんなら、捕まえてみろ〜なんだゾ!
デュース
くっ、シャンデリアに登るとは卑怯だぞ!
デュース
飛行魔法はまだ習ってないし…
ずっと、隣で考えているスペードさん。
私もなにか無いかと考えてみるが、
シャンデリアに触れずにと考えると、あの狭さはちょっと無理がある。
ユウ
どうすれば…
デュース
はっ、そうだ!、
エース
!なんか良いアイデアが…っておいおい!!
エース
ちょい待ち!
エース
なんでマジカルペンこっちに向けてんの!?
!?
デュース
お前を投げればいいんだ!
ユウ
その顔で言うことじゃないよね!?てか、嫌な予感しかしないんですけど!?
エース
冗談でしょ?!うわぁぁぁぁ!?浮かすな!!
エース
俺の事投げる気かよ!?やめろってマジで!!
あなた
スペードさん!!
デュース
しっかり捕まえろよ!!
ユウ
待ってぇぇ!!!
私とユウくんが止める声も届かず、
デュース
よく狙って…いくぞ!
スペードさんは、エースさんを投げてしまった。
エース
うわぁぁぁぁ!?!?
あなた
(不味い!!)
グリム
ふな゛ぁぁぁ!?
絶対着地の事考えてない!!
あなた
危ない!!
エースさん達が先に落ちた。故に、上からシャンデリアが降ってきた。
あなた
異能力「オール」コピー“落椿”
エース
!?
異能でエースさんたちをシャンデリアの落下範囲から飛ばした。
ガッシャアァァァンン
ユウ
あなたちゃーーん!!!
グリム
ふにぁぁぁ…
デュース
し、しまった!捕まえた後の着地のこと考えていなかった…!!
エース
おまっ…バッッッッカじゃねぇーの!?
エース
グリムは捕まえたけど、シャンデリアぶっ壊したの学園長に知れたら…
ユウ
とにかくあなたちゃんは…
クロウリー
知らたら…なんですって?
エース
あ…学園長…
クロウリー
あ〜な〜た〜た〜ち〜は〜〜〜〜ッ!!
クロウリー
一体何をしているんですか!!!!
グリム
ふにぁ〜…目が回るんだぞ〜
クロウリー
石像に傷をつけだけでは飽き足らず、シャンデリアまで破壊するなんて!
クロウリー
もう許せません!!全員、即刻退学です!!
全員
えええぇ〜〜〜〜!?
ユウ
だから、あなたちゃん!
あなた
ってててて…
クロウリー
!?あなたさん、その傷は!?
シャンデリアの瓦礫の下敷きから自力で脱出した私は、
頭から血が流れ、全身に切り傷が付いていた。
あなた
?あぁ。これくらい平気ですよ。
でもなぁ。これ皆心配してるなぁ。
…しょうがない。腹を括るか。
あなた
ユウくん、キッチンから包丁持ってきて。
全員
!?
ユウ
…本当にするつもり??
あなた
今ここに与謝野女医は居ないでしょ?
ユウ
…はぁ。わかった。
すると、ユウくんは、すぐにキッチンから包丁を持って来てくれた。
あなた
あ、皆さん見ない方がいいですよ。
ユウ
後ろ向いてて下さい。トラウマ植え付けられたくないなら絶対に振り向かないで下さい。
すると、全員が後ろを向いた。
…よし。
グサッ
あなた
ッッ!!!!
包丁で胴を指した。
私の顔が歪む。
あなた
(もうちょっと…)
もう1回、刺した。
地面に鮮やかな血が飛び散る。
あなた
フーッ…
今!!
あなた
異能力「オール」コピー“君死給勿”
フワッ
文字の羅列が現れ、私の体が見る見るうちに治ってゆく。
そして、頭の傷も、体の切り傷も全て完治した。
あなた
ッ、ハァハァ…
これ辛いんだよなぁ。まぁ他の人にやられないだけまだマシだけど…
あなた
よし、もういいですよ。
そう言って振り向くと、ユウくん以外の人は、みんなビックリした顔で私を見た。
デュース
傷はどうしたんだ!?
あなた
完治しました。私は平気ですよ!
クロウリー
それはまたあなたさんの異能の力ですか?
あなた
まぁ、そんな感じです。
あなた
それで…次は退学ですか?処罰は。
クロウリー
そうです。このシャンデリアは学園設立からずっと受け継がれてきたもの。ですから…。
デュース
どうかそれだけはお許し下さい!俺はこの学校でやらなきゃいけないことがあるんです!
クロウリー
馬鹿な真似をした自分を恨むんですね。
デュース
許していただけるなら弁償でも何でもします!
スペードさんはなんでこんな必死にここにこだわるんだろう…。
クロウリー
このシャンデリアはただのシャンデリアではありません。
クロウリー
魔法を動力源とし、永遠に尽きない蝋燭に炎が灯る魔法のシャンデリア。
クロウリー
伝説の魔法道具マイスターに作らせた逸品です。
クロウリー
先程も言いましたが、このシャンデリアは学園設立からずっと受け継がれてきたものです。歴史的価値を考えれば、10億マドルは下らない品物ですよ。
クロウリー
それを弁償できるとでも?
10億マドル…
スペードさんの衝撃的な反応からして、
めちゃくちゃ高いのはわかった。
あなた
(マフィア幹部の給料で考えてどのくらい削られるかな?)
あ、ダメダメ今そんなこと考えちゃ。
知り合いにマフィア幹部いるから偶にそんなこと考えちゃうだよねぇ。
エース
で、でもさ!先生の魔法でパパッと直せちゃったりとかー…
クロウリー
魔法は万能ではありません。しかも、魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が割れてしまった。
クロウリー
魔法石に2つと同じものは無い。もう二度と、このシャンデリアに光が灯ることは無いでしょう。
エース
そんなぁ…
悲しい雰囲気を出す学園長。
それもそうだろう。
ずっと大事にしてきたものだから。
デュース
畜生…何やってんだ俺は…母さんになんて言えば…
あなた
…学園長。戻す方法はありますか?
あなた
もう一度、シャンデリアに火を灯す方法を。
クロウリー
…一つだけあります。
数人
えっ!?
エースさんと、スペードさんの声が重なる。
クロウリー
このシャンデリアに使われた魔法石はドワーフ鉱山で採掘されたもの。
クロウリー
同じ性質を持つ魔法石が手に入れば、修理も可能かも知れません。
デュース
僕、魔法石を取りに行きます!
デュース
行かせてください!
クロウリー
ですが、鉱山に魔法石が残っている確証はありません。閉山してしばらく経ちますし、魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い。
デュース
退学を撤回してもらえるなら、何でもします!
クロウリー
…いいでしょう。では、一晩だけ待ってさしあげます。明日の朝までに魔法石を持って帰ってこなければ、君たちは退学です。
デュース
はい…!ありがとうございます!
エース
はーぁ。しゃーねぇ。んじゃ、パパっと魔法石を持って帰ってきますかー
クロウリー
ドワーフ鉱山まだは、鏡の間のゲートを利用すれば、直ぐに到着出来るでしょう。
デュース
はい!
あなた
それでは行きましょうか。
クロウリー
!あなたさんは関係無いのでは…?
え?
もしかして私ただの被害者だと思われて…?
あなた
一応私も止められなかった人ですから。
私は、グリムを抱えて、食堂を出た。
グリム
はっ、な、なんだぁ…?オレ様は一体何を…
ユウ
…気絶してた方が、幸せだったかもね。


クロウリー
(あなたさんは、正直ですね…。彼女の今後が心配でたまりません…。)
エース
あーあ…なんっでこんな事になっちゃったかなあ。ついてなさすぎ…
デュース
ブツブツ言ってる時間は無い。いくぞ!
デュース
闇の鏡よ!僕たちをドワーフ鉱山へ導きたまえ!
声に反応し、鏡が光った。

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