第4話

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2018/12/22 05:31

ふぅ、と一息ついて扉を開けると
そこには朝のお喋りに夢中なクラスメイトの姿があった
女子生徒A
ごきげんよう、瀬峰くん
男子生徒B
おはよう、瀬峰
教室に入った瞬間に起こる女子生徒のごきげんようラッシュといかにも育ちの良さそうな男子生徒から受ける挨拶に今まで庶民の世界にいた自分が慣れているはずもなく
ナオ
ナオ
...あー、...おはよ

と、まあ適当に挨拶を返しながら自分の席に着くと後ろから声をかけられた
柚莉(ゆり)
柚莉(ゆり)
ごきげんよう、ナオさん
ナオ
ナオ
...!柚莉!おはよう!

そう言うと振り返った先にいた女の子
────柚莉はにこりと可愛らしい笑顔で笑った














彼女の名前は鈴田柚莉(すずた ゆり)。自分と同じ1ーAのクラスメイトでこの学園で出来た初めての友達だ。


色素の薄い、長く綺麗な髪の毛を大きめのリボンで止め、全身からお嬢様オーラを漂わせているこの子とは入学式の日、教室の場所がわからず困っていた自分を彼女が助けてくれた時からの付き合いだ




ナオ
ナオ
今日は柚莉の方が早かったんだね

普段車で通学している彼女は自分より少し遅めに登校してくるはずなのだが今日はどうやら彼女の方が早かったらしい



そう言うと柚莉は
柚莉(ゆり)
柚莉(ゆり)
早起きを頑張りました!
と、小学校低学年の子が自分のした事を褒められた時のような誇らしい顔で言ったので、自分はあまりにもその顔が可笑しくて思わず笑ってしまった。

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