…優斗に、
酷いこと言っちゃったかな、
優斗だって、
いろいろ苦労してるかもしれへんのに…
わたしは、
一言、
" ごめんなさい "
と、優斗にメールを送った。
東京、行くとか、HiHiはいるとか、
想像もつかへん。
…2部、終わったかな、
そんなことを考えていたら、
ポケットに入っていたスマホが震えた。
…佑吏?
" いま電話出れる? "
わたしは、通話ボタンを、そっと押した。
あなた「もしもし、、」
佑 " いま大丈夫やった? "
あなた「…わたし、ちょっと、むりかも」
佑 " え、?"
あなた「…会いたい。」
佑 " まだ東京? "
あなた「うん、いま新幹線待ってんねん。」
佑 " あと2時間半とかやんな。新大阪でまっとくわ "
あなた「いいん、?」
佑 " ええよ。"
あなた「ありがと…ほんまに、あ、新幹線きちゃった…」
佑「じゃあ、またあとでな?」
ぷつっと切れた電話。
溢れ出そうになる涙をぐっとこらえ
わたしは新幹線に乗った。
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もう9時半過ぎちゃった。
…岡さん、ほんまに来てくれるんかな、
改札を出ると、
お顔まん丸のかわいい男の子がたってました((
あなた「佑吏っ…」
佑「あなたっ!」
わたしは、
思わず佑吏にぎゅっと抱きついた。
あなた「あー、好き、このにおい。」
佑「汗くさない、?」
あなた「全然やで。…来てくれてほんまにありがとうね?」
佑「大丈夫なん、」
あなた「無理、もう、ほんまにダメかも…わたし、関西に、いらん存在みたいやわ。」
そう言うと、
ぎゅっと、
わたしを包み込む佑吏の腕に、
すこし、力が入った。
佑「そんなわけないやん… 今日、あなたおらんくて、結構大変やった。あなたに、ずっと頼ってたんやなって。康二くんとかも言っとった、あなたおらんと段取りうまくいかへんなって」
あなた「いなかったらいなかったで、きっとうまくいくねん、…わたしなんか、おらんくても一緒やねん、…なのに、なんで、辞めたいって思えへんのやろ。デビューっていう夢しか、もてへんの、?」
なんで、
こんなこと話してるんやろ。
佑「なあ、辞めたりせんよな?いややで、俺。一緒に頑張ろうや…」
あなた「…そうしたいねん。わたしも。だけど。…っ、」
なんか、
疲れちゃった。
佑「…帰ろ?明日もあるで。」
あなた「ごめん、待たせたくせに、こんな、弱音吐いて、…でも、ありがと。会ってくれて。なんか、ちょっと、安心した。」
わたしは、
佑吏から、ゆっくり離れた。
佑「ううん。あなた、最近全然弱音吐かへんかったから。俺も安心したわ。」
あなた「そ、?」
佑「あなた、なんかあったら、相談しいや?誰でもええから。みんな、あなたのこと好きやから、聞いてくれると思う。」
そう、不安そうな目で話す佑吏に、
わたしは、
にこっと笑いかけた。
あなた「大丈夫。わたしはわたしなりに、いろいろ頑張るだけやから。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。