第63話

episode62
1,972
2020/11/01 22:06


DREAMBOYS千穐楽



HiHi Jetsのみんなのおかげで、

気持ちはすごく軽かったし、


足の怪我は一向に治らないけど、

ぐるぐるにテーピングされた足のパフォーマンスも慣れた。




すごく、活き活きできてる。



最近のファンレターにも、


今、すごくきらきらしてるよって。






うれしかった。



わたしが輝けるのは、

やっぱり、ここなんや。

そう、

強く感じていた。


そういう場所が、

わたしにちゃんとあるって、


すごく素敵だなって。


…だけどやっぱり

なにか、まだ引っかかってて。



でも、その気持ちは、

わからないままでいい。




だって、

そうしないと前に進めない。







キラキラ舞うスパンコールは

今までよりも輝いてるような気がした。

帝劇を包む拍手の音も、

今までより、大きく感じた。




…やりきった。



がんばった。



わたしの力なんかじゃない。



応援してくれた関西のみんな、

そばで支えてくれた5人がいたから。







幸せやな。


____________________________________________________


ん…ちゃん、あなたちゃん!」


…ん?

あれ?

幕閉じて、それで、




わたしはゆっくり目を開けた。





目の前には、

大好きな5人。


優「大丈夫!?」
あなた「わたし、…」
瑞「幕閉じた瞬間後ろにぶっ倒れたからびっくりしたよ…」


あなた「…ちから、抜けちゃったんかな、、」

確かに後頭部痛い、


てかまだ、舞台の上、




瑞「戻ろっか。」


あなた「うん。…あの、みんな、ちょっと、」
涼「ん?」
あなた「みんなに、伝えたいなって、ことがあります。」

みんなは何かを察したように、

急に、真剣な顔つきになった。



優「うん、…どうしたの?」 



わたしは一度、

大きく深呼吸をした。



そして、

あなた「私を、HiHi Jetsに加入させてください。」


そういうと、

みんなは目を大きく見開いて、

一気に笑顔になって。



よっしゃ!!とか、

言い出して。笑




優「これからもよろしく!」
あなた「うんっ!…グズッ、」
龍「えっ、大丈夫!?」


あなた「ごめんなんか、グズッ、安心して…グズッ、ヒック、」
瑞「もう大丈夫だから。」



そのことばが、

本当に嬉しくて、


幸せやな…

これで、よかったんやな。



そう思えた。



______________________________________________


あのあと、

楽屋で気が済むまで泣いて、



ジャニーさんに、

加入させていただきたいですって伝えて、



でも、

関西でもしっかりやり切りたいから、


あけおめで、

卒業させてもらうことにした。





春からはHiHi Jets。



また、

あたらしくスタートする。







優「じゃあ、また春に!」



新幹線のホーム、

5人は、私のお見送りに来てくれた。

あなた「ジャニアイ観に行くよ笑」
龍「じゃあまた冬に笑」
あなた「うんっ!あ、龍斗誕生日ほんまおめでとう!」


龍「何回目?笑 ありがとう笑」
蒼「体調にはくれぐれも気をつけて。」
あなた「はい笑」
涼「ちょっとは休みなよ?」
あなた「うん。そうする。ありがと!」
瑞「いってらっしゃい。」




そっか、

東京に、HiHi Jetsのところに、

わたしは帰るんだ。



…急に、

不安になった。



わたしにできるかな。


1か月でこんなしんどかったのに、

ちゃんとついてけるかな。



たくさんの人を、

がっかりさせちゃわないかな…
あなた「…うんっ、」





わたしは、

上に行けるんかな?




そんなことを考えながら、


新幹線に乗り、

座席に座った。



…ふう、、






パッと窓の外を見ると、


HiHiのみんなが、

ぶんぶん手を振ってた。


動きうるさすぎやて、笑


めっちゃ見られてる。




…あ、動くかな、





わたしが小さく手を振ると、

口パクで、


" あ り が と う "

と言う5人。


ぽろっと、

涙が溢れた。




お礼いわなあかんのは、こっちやのに。








" い っ て き ま す "



そう口パクでかえすと、

みんなは優しく微笑んでくれた。




…ちゃんと、

瑞稀くんがいってらっしゃいって言ってくれたときに

言えへんかったの、

なんか情けないな、







新幹線が動き出し、

みんながどんどん遠くなる。




しばらく、会えへんのか、


変な感じ。





…明日から、

気持ち切り替えて、また頑張ろう。



あけおめ、

絶対後悔しないようにせな。





プリ小説オーディオドラマ