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第1話

prologue
7,323
2019/03/02 10:07

2012年

5月のことだった。


" Don’t ever give it up !
君のため 僕がいる
世界をひとつにするんだろう
Dreams come true
つなごう 強いチカラで "


適当にリモコンを触っていたら



たまたまついたのが、



ザ少年倶楽部。








一瞬で心を射抜かれた。



胸が高鳴るのがわかった。



どきどきした。居ても立っても居られなかった。






あなた「ままっ!!これっ!何!?」


母「ん?あー、SexyZone? ジャニーズだよ。」


あなた「ジャニーズ…」





キラキラな衣装を身にまとい、

キラキラな笑顔で歌って踊るジャニーズに



わたしはあっというまに夢中になった。


あなた「まま!あなた、ジャニーズになりたい!」
母「うーん、、ジャニーズな、男の子だけやから無理やな、、笑」
あなた「そんなん知らん!あなたはジャニーズになんねん!」

その日からわたしは、



少クラを見てJr.がやっていることを

真似するようになった。




わたしにとってジャニーズは" 憧れ "

ちょっとでも、近づきたかった。




歌も、ダンスも、アクロバットも。


全部全部独学で



たくさん練習した。



そして。



チャンスは突然訪れた。

7月14日


わたしは、出先で母とはぐれてしまった。



ふらふらと適当に歩いていたときだった。




前から、

あの有名な口調で話している人が歩いてきた。


あなた「…ジャニーさん?」


気づいたときには、


わたしはその人の目の前にいた。


あなた「あのっ!! ジャニーさんですよね。わたしっ…どうしても、どうしてもジャニーズに入りたいんです!!男子だけってわかってても諦められなくて。いろいろ、頑張ったんです。何だってできます!だからっ!!」




わたしは必死に訴えかけた。


そして、


少しの沈黙のあと


ジャニーさんは口を開いた。


ジャ「you、おもしろいね。今からオーディションなんだ。参加してみるといい。」


そして


このオーディションに受かり



わたしは

ジャニーズ事務所に入所した。

…何で受かったんかはほんまに謎。



ただ、

あれやろうね。


" ジャニーさんの気まぐれ "


ってやつやろ?






あの日から、


どれだけの気まぐれに振り回されて、

どれだけ苦しい思いをしたことか。


気まぐれなんかで、


人の心ぐちゃぐちゃにせんといてって思うけど





嫌なら辞めてもいいし、

よっぽどお気に入りじゃないと

辞めないでって、止められもしない世界。


そんな世界で


どれだけ苦しくても、


辞めへんかったのは、自分の選択。




佑「あなた!出番やで!!」
あなた「あ、うんっ」


今日もわたしは踊る。


白く光るスポットライトを



再び浴びるために。



もう一度、


ハンドマイクを持って歌うために。

そして、


どれだけ目立たなくなっても、

応援し続けてくださる、ファンの皆さんの為に。





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